土木工学科の学生が厚木市のまちづくり振興策を提案しました

工学部土木工学科の3年次生が1月15日に湘南キャンパスで、神奈川県厚木市のまちづくり振興策を市の職員に提案しました。地域の課題解決策をグループで検討する演習科目「シビックデザイン」(担当=梶田佳孝教授)の成果発表として行ったものです。31日には厚木市の土木系技術職員が参加する研修会でも成果を発表しました。

今年度の受講生約60名は9グループに分かれ、秋セメスターの3カ月間をかけて厚木市が抱えるまちの課題を検討してきました。市の公開している資料を使いながら学生ならではの視点で分析。実際に各地に足を運び、市民の声に耳を傾けるなどして、より具体的なアイデアに昇華させました。高齢化の進む団地のリノベーションを提案した班や、防災に関する情報を集約する携帯端末向けアプリの開発を提案した班など、課題と捉えた対象もさまざま。交通機関を対象にしたアイデアでも、鉄道の駅周辺の賑わい創出や、バスターミナルへのアクセス向上、通勤ラッシュの緩和や時間短縮を狙った新交通システムの建設など、課題解決に向けたアプローチは多岐にわたりました。

15日の報告会では厚木市の都市計画課に所属する担当者も学生のアイデアにコメント。「台風の被害対策やラグビーに関する提案など、旬な話題も多かった。統合型リゾートの誘致など、われわれだけでは出てこないであろう、学生らしい雄大なアイデアも刺激になった。持ち帰って他の課員にも紹介したい」「自分たちのアイデアに『夢物語』と言い添えた学生がいたが、決してそうではない。法律や常識などに縛られすぎては、考えも行動もストップしてしまう。皆さんから、常に夢を持って仕事に当たることが大事だと思い出させてもらった」「今日の発表に向けて、誰かがリーダーになり、周囲がサポートをして、一つにまとめる過程を学んだと思う。それは、社会に出れば何度も経験すること。表に見える大きな仕事もあれば、それを裏で支える庶務的な仕事もある。どちらも必要で、今日は全員が輝いて見えました。社会人になってから、この課題とともに厚木市のことを思い出してくれればうれしい」といった講評が述べられました。また31日の報告会でも、学生たちに激励の言葉が送られました。

学生からは、「今日の提案は、自分が以前から感じていた街の課題を素に考えたもの。自分の身の回りにある、素朴な疑問を掘り下げていくことで、逆に大勢の共感を得られることがあると実感できました」「将来は材料系の分野を志望しているが、この授業で都市計画系の知識や考え方を学ぶことができました。どのような分野に進むにせよ、プラスになる経験が得られたと思います」などの声が聞かれました。

梶田教授は「この授業では2015年度から湘南キャンパス近隣の各自治体(年度順に小田原市、平塚市、清川村、伊勢原市、厚木市)と連携をして、それぞれに提案を行ってきました。パブリック・アチーブメント(PA)型授業としての手応えを感じています。学生たちには社会にはさまざまな立場の人々が暮らしていることを実感してもらいながら、引き続き土木技術者としての専門性を身につけていってもらいたい」と話しています。

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