「研究者として活躍する生命化学科の卒業生による研究セミナー」を開催しました

工学部生命科学科では1月29日に、湘南キャンパスで「研究者として活躍する生命化学科の卒業生による研究セミナー」を開催しました。将来、研究職に就くことを目指す学生、大学院生を対象に、「研究者を目指す上で学部・修士でやっておくべきこと」をテーマとして、キャリア教育の一環として初めて実施したもの。本学科1期生で現在は東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科助教の千葉朋希さんが登壇し、自身が研究者を目指したきっかけや現在の研究内容について語り、在学生の進路選択にエールを送りました。

当日は、学生や大学院生、教員ら約20名が参加。付属第三高校(現・付属諏訪高校)出身の千葉さんはまず、「高校時代に『自己とは』『自分とは』という漠然とした疑問を抱き、人間の遺伝子に興味を持つようになりました。その後、生命化学科や大学院工学研究科工業化学専攻で学び、自身の体を守る免疫学に興味を持ち大学院医学研究科へと移って研究を続けました」と当時を振り返りました。学生時代から現在までの経験を踏まえ、研究者にとって大切なことを2018年にノーベル医学生理学賞を受賞した本庶佑氏(京都大学医学部教授)の言葉を引用し、「6つのC」が大切だと語りました。「本庶先生は、優れた研究者を目指す若い学生に、好奇心(curiosity)と勇気(courage)の大切さ、困難な問題に挑戦(challenge)し続け、必ずできるという確信(confident)をのもと、全精力を集中(concentration)し、あきらめずに継続すること(continuation)の重要性を説きました。これは今の皆さんにも大いに当てはまる言葉だと思います。ぜひ今後の学生生活に生かしてください」とメッセージを送りました。

また、自身の研究についても紹介し、「2003年にヒトゲノムが解析されて以来、古典的な生化学や逆遺伝学を用いて、2万を超える個々の遺伝子機能の研究が進められてきました。近年では次世代シーケンサーが登場し、塩基配列の解読スピードは飛躍的に進化しています。私たち研究者は日々蓄積されていくビッグデータの中から適切な情報を引き出し、それぞれの研究を進めていますが、ロボット技術やAIの導入も進み、今後もさらなる進化が予想されています」と語りました。

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