大学院工学研究科応用理学専攻の学生がアメリカ機械学会から「Qualified Student」に選ばれました

2018年06月08日

大学院工学研究科応用理学専攻1年次生の平川萌さん(指導教員=原子力工学科・堺公明教授)がこのほど、アメリカ機械学会(ASME)主催の国際会議「26th International Conference in Nuclear Engineering(ICONE26)」における学生参加資格者に与えられる「Qualified Student」に選ばれました。同会議は、世界各国の学生から論文を募集し、優秀な論文の執筆者60名を選抜して行われる学生セッションを含むもので、今年は7月にイギリス・ロンドンで開催されます。Qualified Studentに選ばれた学生参加者は、学生コンペティションで最優秀論文賞を競うとともに、同じホテルに宿泊して交流を図ります。会議の宿泊費と滞在費はASMEから支給されるほか、渡航費の一部も日本機械学会から援助されます。

平川さんは、「自由液面からの非定常渦のガス巻き込み現象に関する研究」で応募。この研究は、放射性廃棄物を低減できる次世代の原子炉として研究が進んでいる高速炉の炉心部で生じる現象の解明を目指すものです。高速炉の原子炉容器内は液体金属ナトリウムが不活性のアルゴンガスでカバーされた構成となっており、その境目にあたる界面(自由液面)ではガス気泡が液面に巻き込まれてしまう「ガス巻き込み現象」が生じる可能性があると指摘されています。それを防ぐためのメカニズム解明とシミュレーション技術確立に向けた研究が進んでいますが、これまでは一定の場所で渦が発生する場合を想定したモデルに基づく研究が中心でした。そこで平川さんは、渦が界面を移動しながら成長していく過程をシミュレーションし、可視化する手法を研究。この成果をまとめた論文が評価されました。

「これまで続けてきた研究が世界基準で評価され、とてもうれしく思います。堺先生はいつも世界基準で教え、助言してくれていますが、その正しさをあらためて実感する機会にもなりました。もともと、放射線の生物への影響を知りたいと思い原子力工学科に進みましたが、学科の課程を通して原子力のメリットやデメリット、世界的に利用されている背景などを深く学ぶことができたと感じています。この学科で学ぶ中で高速炉に興味を持ち、今は日本とフランスで共同開発が進んでいる“未来の技術”を研究できることにやりがいを感じています。初めて海外に行くので緊張もしていますが、世界各国の若手研究者と語り合い、イギリスの文化に触れるこの機会を最大限に生かしたい」と笑顔で語っています。

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