公開シンポジウム「駿河湾におけるサクラエビの資源生物学」を開催しました。

2018年10月24日

清水キャンパスで10月21日に、日本甲殻類学会・東海大学海洋学部共催公開シンポジウム「駿河湾におけるサクラエビの資源生物学」を開催しました。駿河湾の名産として全国的に知られるサクラエビが今春に記録的な不漁となったことを受けて、枯渇が懸念されるサクラエビの漁獲量の推移や産卵生態などについて学術的見地から情報を提供することで多くの人に理解を深めてもらおうと、同学会と本学が「第56回日本甲殻類学会」(10月19日~21日)に合わせて実施したものです。当日は、同学会会長をはじめ学会員17名のほか、漁師や仲買人、研究者ら59名の合計76名が参加し、プレゼンテーションや意見交換を行いました。

はじめに、海洋学部の飯塚貴之さん(3年次生)と福井篤教授が「サクラエビの漁獲量とVPAによる資源量の推移」について、静岡県水産技術研究所上席研究員の小林憲一氏が「資源量推定手法の開発について」と題して発表しました。続いて「生化学マーカーを利用したサクラエビ(Lucensosergia lucens)の栄養生態多様性の解明」「外部形態・組織観察によるサクラエビの成熟サイズの推定」「組織観察から見た駿河湾におけるサクラエビの産卵生態と漁業」についてそれぞれ複数の研究者や本学の学生らが登壇して意見を交わしました。最後に本学部の鈴木伸洋教授と石川智士教授が、今回のシンポジウムを踏まえて今後のサクラエビ漁業のあり方を考える「総合討論」を行いました。

サクラエビ漁は毎年産卵期を避けるために春と秋に行われていますが、今春は記録的な不漁となり、9月に静岡県と漁業協同組合が行った大規模な調査でも駿河湾の中部に生息するサクラエビの減少傾向が確認されています。鈴木教授は、春の漁で卵を持った親のエビが捕られていることに触れ、「5月以降は漁を行わず、積極的に保護することが重要」と提言。「多くの漁業関連団体や行政の関係者に参加いただき、大学の研究活動の成果を発信できたことは、社会貢献につながると考えています」と語りました。

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