「折戸湾環境創造プロジェクト~折戸湾を科学しようぜ!~」に協力しました。

海洋学部では4月20、21日に清水キャンパスや臨海実験場で行われた清水港開港120周年記念事業委員会の「折戸湾環境創造プロジェクト~折戸湾を科学しようぜ!~」に協力しました。清水港開港120周年記念事業として実施されたもので、市内の中高生を招き、講義や生態調査を通じて折戸湾に残る生物多様性と環境について理解してもらうことが目的です。本学部の教員や学生が指導に当たり、20日は環境社会学科の教員が折戸湾について講義したほか、臨海実験場横のカキ礁で、底生生物の採集に挑戦。21日には採集した生き物を観察・分析しました。

両日とも20名の中高生が参加。講義では石川智士教授が、日本全体で沿岸部の埋め立てが進み、海岸に住む生き物が減少していることに触れ、「海岸に住んでいる底生生物はよく観察しないと見つけることができません。だからこそ、ただ海岸に足を運んでも、そこにたくさんの命が育まれていることをなかなか感じづらく彼らの住処を埋め立ててしまっても、そこに問題意識を持ちにくい。もちろん、人間が生きていくための防災対策として、埋め立てや開発をすることも必要です。しかし、生き物の住処を奪っていることを忘れてはいけません。今日は皆さんも親しみのある折戸湾の干潟にどんな生物が生きているのか、楽しみながら調査しましょう」と話しました。その後、仁木将人教授が折戸湾の成り立ちや特徴、海岸浸食について解説し、廣瀬慎美子准教授は底生生物の見分け方などを説明しました。

講義に続いて、臨海実験場横のカキ礁に移動した生徒たちは、一定の面積ごとにどれだけの生物が住んでいるのかを調べる定量調査を実施。それぞれのグループで決めた地点に、コドラート(枠)を置きその枠内にある土砂やカキ殻を採集し、ふるいに入れて海水で洗った後、ピンセットを使って貝類や甲殻類など生物を採集しました。21日には廣瀬准教授の指導で、前日に採集した生き物を分類しながら底生生物の見分け方や生態などを学びました。

参加した中学生は「海が好きなので参加しましたが、身近なところにたくさんの生物が住んでいることを初めて知りました。魚類に興味がありますが、海岸に住むほかの生き物についても勉強してみたくなりました」と笑顔で語っていました。石川教授は、「今回の調査でたくさんの生物を見つけることができ、中高生にも多くの発見があったのではないかと思います。海岸の埋め立てにより、生態系が変化している問題は、研究者だけが問題視しても解決には至りません。行政や市民と協力し、それぞれの課題や要望をすり合わせていく中で答えが見えていきます。今回のイベントは産官学が一体となった見本のようなイベント。これからも連携しながら、研究推進や地域活性につなげていきたい」と話しました。

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