海洋生物学科の中山助教が深海魚ソコダラ類の日本周辺における多様性を解明しました

海洋学部海洋生物学科の中山直英助教がこのほど、深海魚のソコダラ類について日本近海に分布するものを4新種を含む18属76種類に分類し、各種の高精度な分布域を解明。これらの研究成果をまとめた論文が、11月5日付けで分類学の専門誌『Megataxa』(Magnolia Press/ニュージーランド)のオンライン版に掲載されました。

ソコダラ類は種の数が多く互いによく似ているため、種を同定することが難しいとされてきましたが、中山助教は高知大学在学時から土佐湾をはじめとする北西太平洋で調査を開始。世界中の博物館に保管されている標本の調査や、全国各地の漁師らの協力を得て行なった採集などをもとに約8000個体を検討・分類し、「ヤジリヒゲ」「ヤミヒゲ」「クロネズミダラ」「カクレヒゲ」の4新種を発見したほか、過去の論文における同定の誤りを訂正し、日本とその周辺海域におけるソコダラ類の高精度な分布域を示しました。中山助教は、「地球環境が変わりゆく中、高精度な分布域は基礎データとしてさまざまな研究に活用してもらえると期待しています。生物を研究するうえで種の分類は基礎となる部分であり、今も年間数種類の新種が発見されているので、今後も国内外の海で調査を続けていきたい」と語っています。