原田泳幸先生による「政治経済学部客員教授就任記念講演会」を開催しました

湘南キャンパスの松前記念館講堂で11月19日、株式会社原田泳幸事務所代表取締役の原田泳幸先生による政治経済学部客員教授就任記念講演会を開催しました。アップルコンピュータ株式会社代表取締役社長や日本マクドナルドホールディングス株式会社代表取締役会長兼社長兼CEOを歴任された原田先生がこのほど、本学政治経済学部客員教授に就任されたことを記念して、「ピープルビジネスの成功の鍵」をテーマに企画したものです。学生や教職員ら約300名が参加しました。

はじめに、本学の山田清志学長が原田先生の略歴を紹介するとともに、英文と和文それぞれの客員教授記を手渡しました。山田学長はあいさつで、「皆さんもよくご存知かと思いますが、原田先生は、日本を代表する経営者であり、我々が誇るべき卒業生のお一人です。今日は学生諸君が学びたいことを分かりやすく説明してくださると期待しています。東海大学は日本の大学の中でも社長を輩出している人数で十指に入ります。皆さんもこの講演をきっかけに将来は経営者を志してください」と学生たちに語りかけました。

原田先生は講演でまず、「経営とは、ステークホルダーの価値向上である」とし、企業における業績向上の重要性を説明。「業績向上は、顧客、株主、取引先、社員、そして社会というステークホルダーから信頼と支持を得なければ実現しません。ステークホルダーの価値向上は、顧客だけとか、株主だけとか、どれか一つに偏ってはいけません。バランスが大切です。バランスを崩しては会社がおかしくなってしまう。経営者はその検証と判断を繰り返すことが役割です」と強調しました。続いて1995年に日本マクドナルドの経営に参画した当時を振り返りながら、その経営改革について「就任3カ月後に7年連続のダウントレンドをプラスに回復させました。そのために、まず取り組んだのが顧客を大切にするための『QSC(クオリティー、サービス、クリンリネス(清潔))』です。社員には徹底して”QSCに関することしかするな”と指示し、100円コーヒーの販売開始など企業の基本となるコアビジネスを支える施策を打ち出しました。また、社員の努力を大切にするための『インセンティブ』も与えました。”売り上げはお客さまがくれる通信簿”と社員たちに聞かせ、いい通信簿をもらえるように社員自らが努力する環境を整え、やる気を引き出しました。業績不振の会社は基本を忘れているものであり、業績向上にはその企業”らしさ”を取り戻すことがポイントになります。マクドナルドは世界企業であり、グローバリゼーションの土壌を持っていますから、外国の店舗の経験から人財管理やキッチンなどに世界最高のシステムを導入しました」と振り返りました。

さらに、大胆な店舗削減などにより得られた財源を価値向上のために再投資することの重要性など、財務、人事、給与、商品、価格などさまざまな角度からの経営改革について語り、最後に経営者として社員らに伝えてきた『原田語録』の数々を紹介。「『非常識を常識にすることがビジネス』『顧客の不満・トラブルこそが信用を作る機会点』『課題を抱えていない社員は仕事をしていない』『日本の文化を知り、世界の文化を知る 相手の文化を理解してこそコミュニケーションできる』などの言葉を社員のやる気を引き出すために語り掛けてきた。」と話しました。

終了後の質疑応答では、「経営者としての毎日の習慣はありますか」「企業”らしさ”として最も大切なことは何ですか」など学生たちから熱心な質問が寄せられ、原田先生が一つひとつ丁寧に答えました。最後に、講演への感謝の気持ちとして学生の代表が原田先生に花束を手渡し、参加者全員と記念撮影を行いました。

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