情報通信学研究科の大学院生3名が国際ワークショップで研究発表

2月27日、28日に大阪で開催された国際ワークショップIMQA2024(The Twelfth International Workshop on Image Media Quality and its Applications)で、大学院 情報通信学研究科 修士課程1年の小宮山晃央さん、藤坂直輝さん、油谷凛さんの3名が研究成果を発表しました。この国際ワークショップは様々なメディアの品質をテーマとし、画像品質の評価や改善、撮像・伝達・表示に関する技術、観察者の心理学的特性などを分野横断的に議論することを目的にしています。

【小宮山さん】
 私の研究は、逆正三角形の位置に配置された3つの丸を顔のように認識するシミュラクラ現象の発現確率が、被験者の性格の違いでどのように変化するかを調べた研究です。この研究の結果として、コミュニケーションを図ることが好きな人や、物事にチャレンジする傾向が強い人は、シミュラクラ現象の発現確率が高い可能性が示唆されました。この結果から、情報を提示された人の性格によって、その内容の解釈が異なる可能性があると考えられます。よって今後、XRやメタバースなどの先端技術を用いて誰かに情報を提示する際、誤解を与えない、また不快に思わせないようにする方法を議論する際に、本研究の知見が役立つと考えています。

小宮山さん

【藤坂さん】
 私の研究は、初心者向けC言語学習支援Webシステムの開発です。プログラミング学習を始めたばかりの初心者はコンパイル(プログラムの誤りを確認)エラーメッセージからどのような間違いがあるのか推測できないことが多いです。コンパイラがエラーの内容を明示できない間違いをした場合、修正に相当な時間が掛かり、学習に悪影響を及ぼすと考えました。そこで、私たちはその誤りなどをわかりやすく提示する機能、文法確認にて正規の文法を表示する機能の開発を行っています。また、現在では初心者がより誤りに気づきやすいインタフェースを開発するために、初心者と習熟者がコンパイルエラー修正時に画面上のどこを注視しているか調べる視線抽出の実験を行っています。

藤坂さん

【油谷さん】
 私は背景音が人に与える影響についての研究を行っています。幼児を対象とした読み聞かせ中に、読み聞かせ絵本の内容との調和度の高い背景音と調和度の低い背景音を提示し、その際の幼児の集中力や様子から、読み聞かせに最適な音環境や背景音を調査しています。現在は背景音と読み聞かせ絵本との調和度の変化が与える影響について、読み聞かせ中の眼球運動や心拍数から調査するため研究を行っています。研究の最終目標である教育現場において音読や読み聞かせの効果をより向上させる音環境を明らかにすることを目指し研究を行っています。

油谷さん