2022年度第1回「健康・スポーツ科学セミナー」を開催しました

大学院体育学研究科では7月13日に、「2022年度第1回健康・スポーツ科学セミナー」をオンラインで開催しました。このセミナーは、学内外から健康やスポーツ科学の専門家を招き大学院生や教職員に知識の幅を広げてもらおうと、年に4回開催しています。今回はオーストラリア・エディスコーワン大学教授の野坂和則氏が「エキセントリック運動は面白い!」をテーマに講演し、大学院生、体育学部などの学生、教員ら約50名が参加しました。

陸上競技に取り組んでいた学生時代の激しいトレーニングが成績につながらなかった経験から、アメリカ・マサチューセッツ州立大学や横浜市立大学医学部などで筋活動に関する研究に従事してきた野坂氏。重量を持ち上げる動作を指す「コンセントリック(短縮性筋収縮)」運動に対し、重量をゆっくり下げる動作を指す「エキセントリック(伸張性筋収縮)」運動の方が少ない筋疲労でより負荷をかけられることに着目し、現在は研究の傍ら国内外の大学やプロチームの選手の指導にあたっています。講演では、国内の女子サッカーチームや7人制ラグビーのマレーシア代表を対象としたトレーニング事例や、医療分野での応用について紹介。「海外ではアスリートだけでなく高齢者が足腰を強化するための体操にも取り入れられており、脳へのいい刺激にもなるため脳卒中患者のリハビリにも応用できると期待されています。そのためにはさらなるエビデンスが必要となるため、今後も研究を続けていきたい」と語りました。 聴講者の中には学内外でトレーナーとして活躍する大学院生、学生が多いことから、講演後には具体的な指導について多くの質問が寄せられ、子どもや大学生など異なる対象年齢に合わせた導入事例なども語られました。