体育学研究科の大学院生が「日本生涯スポーツ学会第25回大会」で若手研究発表賞優秀賞に選ばれました

大学院体育学研究科博士課程2年次生の稲益大悟さんが、昨年12月2、3日に鹿児島県・鹿屋体育大学で開催された「日本生涯スポーツ学会第25回大会」で、若手研究発表賞優秀賞に選出されました。同学会は、生涯スポーツの学術研究や現場実践との相互交流・連携を図り、発展に寄与することなどを目的としています。稲益さんは2016年3月に体育学部スポーツ・レジャーマネジメント学科を卒業した後、健康運動指導士として静岡県内の団体に勤務し、「健康づくりに関心のない層」の身体機能の向上に向けた手法や研究を進めたいと、2021年4月に同研究科に進学。社会人学生として研究を行っています。

これまで、東京都23区をはじめとする大都市と周辺地域における移動時間の徒歩や自転車の利用率は、大都市の方が多いことが明らかとなっていましたが、中小規模の地域では検証されていませんでした。稲益さんは、「地域の都市化率により移動時の徒歩・自転車利用は異なるか?~中小規模の地域間における検討~」をテーマに、運動実施機会の少ない20~50歳代と静岡県東部の市区町村に焦点を当て、人々の交通行動を把握するパーソントリップデータを解析。住民の居住地域を「非都市エリア」「低都市化率エリア」「高都市化率エリア」の3つに分けて、地域ごとの利用者割合を比較した結果、高都市化率エリアで徒歩が27.0%、自転車が11.4%と最多数値となり、低都市化率エリアと比べて約7%利用割合が高かったことをまとめて発表しました。

稲益さんは、「移動行動は誰もが日常的な身体活動の機会を得られる手段です。居住地域から目的地まで容易に移動が可能か、住宅周辺の街灯の数など、公共交通網や地域の設備環境などが大きく影響するので、地域格差をなくす取り組みが必要だと考えました。今後は車の利用率など、他の移動行動についても検証を進めていきたい」と語りました。