熊本キャンパスの産学連携センターが8月2日に、阿蘇くまもと臨空キャンパスで「活動プラン発表会」を開催しました。本学では熊本県ならびに県内の研究機関や企業、金融機関などと連携し、研究シーズと熊本ならではの資源を生かした研究プロジェクトを推進しようと今年4月に産学連携センター(アグリサイエンスオープンイノベーションセンター/通称=ASO)を設立しました。発表会は、本センター設置の狙いや、連携協定を締結して共に活動を展開するローンチパートナー3社2自治体との取り組みなどを広く社会に発信するために開催したものです。
当日は、パートナー団体・企業の関係者や本学文理融合学部・農学部の教職員、学生をはじめ本センターとの共同研究に関心を持つ企業・団体の関係者ら100名超が出席しました。初めに、センター長を兼務する木之内均熊本キャンパス長があいさつに立ち、「本学が持つ多様な分野における知見を、いかに社会に還元するかが大学としての大きな使命であり、この活動を通じて社会で活躍できる人材育成にもつなげていく考えです。産学連携センターに協力いただくパートナーの皆さんには、阿蘇フィールドや阿蘇くまもと臨空キャンパス、熊本キャンパスをフルに活用していただくとともに、全国に広がる本学の各キャンパスとも連携していただきたい」と期待を述べました。続いて熊本県の木村敬知事のビデオメッセージも上映され、「県では阿蘇くまもと空港周辺地域における新産業創出事業『UXプロジェクト』を推進しており、東海大学とは昨年8月に連携協定も締結し、具体的な活動も検討が進んでいます。産学連携センター設立は、県内唯一の農学部を有する東海大学の産学連携機能が大きく強化されるものと期待しており、県としても支援してまいります」との言葉が寄せられました。
次に同センターで戦略立案や事業プロデュースに携わる杉山浩司客員教授(文理融合学部)が、フード・アグリテック分野の新産業創出に向けて多様なステークホルダーや技術等を結集し、イノベーション創出を加速させるための機能を充実させるASOの機能について解説し、「東海大と企業・関連機関との連携による新たな価値の創出に向けて、プロジェクトの芽を創出し、本格的な共同プロジェクトを立ち上げる」と強調。学長室(研究推進担当)の岩森暁部長(総合科学技術研究所教授)は、「熊本には文理融合学部と農学部を設置していますが、本学全体では総合大学としてさまざまな分野の研究者が在籍しており、医学・工学・経済学・農学といった多分野連携を通じて、プレゼンスの高い大学を目指していきます」と話しました。
さらにローンチパートナーとしてすでに7月下旬から8月上旬にかけて連携協定を締結した大津町、株式会社熊本銀行、株式会社肥後銀行、明治アニマルヘルス株式会社並びに協定締結に向けた最終調整を行っている菊陽町の代表者が登壇※。各自治体、企業の特徴を紹介するとともに、協定を通じた人材育成や研究活動の展望や期待を語り、最後に本学の稲津敏行副学長(理系担当)が今後の連携に向けた期待を述べました。
発表会終了後には食堂に会場を移して懇親会も開催。会場には文理融合学部と農学部の各研究室で取り組んでいる研究活動のポスターを掲示し、学生らが説明役を務めたほか、農学部食生命科学科の永井竜児教授、総合科学技術研究所の西口大嗣特定助手(大学院総合理工学研究科2年次生)、農学部食生命科学科の木下英樹准教授による研究活動のショートプレゼンテーションも行い、参加者が聞き入っていました。
※登壇者は下記の通り
大津町 工藤あずさ副町長
菊陽町 小牧裕明副町長
株式会社熊本銀行 坂本俊宏取締役頭取、上野仁敬ソリューション営業部長
株式会社肥後銀行 大野隆地域振興部長
明治アニマルヘルス株式会社 廣瀬和彦代表取締役社長