海洋生物学科の村山司教授が科学茶房で「イルカや海獣と話したい!ソロモンの指輪の探し方~vol.6~」をテーマに講演しました

海洋学部海洋生物学科の村山司教授が5月8日に、静岡科学館 る・く・るで開かれた科学茶房で講師を務めました。このイベントは、多様な分野の研究者が、教科書にのっていないような科学情報や最前線の研究内容を紹介する機会として毎月実施されているものです。当日は、小学生やその保護者、地域住民ら約30名が参加しました。

「イルカや海獣と話したい!ソロモンの指輪の探し方~vol.6~」と題した講演で村山教授は、セイウチやシロイルカなど海棲哺乳類(海獣)の種類について説明した後、チンパンジーやバンドウイルカをはじめとした動物の知能を探った研究の事例を紹介。村山教授が高校1年生のころにアメリカの映画「イルカの日」を鑑賞したことがきっかけで「イルカと話したい」という夢を持ち、海獣学者の道へ進んだことや、飼育下のイルカ類を対象に感覚能力や行動特性、認知能力に関して実験的に検証してきた成果について、科学的分析を踏まえながら説明。「イルカはヒトとほぼ同じ視力を持ち、ものの見方や認識の仕方もヒトと共通しています。これらの結果から、イルカにヒトと言葉の教え方ができると思いました」と話しました。千葉県・鴨川シーワールドのシロイルカの「ナック」と取り組んできたさまざまな実験の動画も紹介しました。参加した小学生からは、「先生の話を聞いて、イルカの頭のよさにびっくりしました。いつか本当にイルカと話せるようになってほしい」といった感想が聞かれ、保護者からは「動物図鑑やテレビでは知ることができない話がたくさんあり、面白かったです。先生のお話を踏まえた上で、あらためてイルカを見てみたいので、近いうちに子どもと水族館に遊びに行きたい」と話していました。

村山教授は、「講演などを通じて、少しでも多くの人にイルカや研究内容に興味・関心を持ってもらえたらうれしい。また、知識を蓄えるだけでなく実際にイルカなどの海獣の息遣いや体温などを知ることで、よりいっそう理解が深まります。水族館でのふれあい体験などにぜひ参加してもらいたい。今後は、動詞と名詞を合わせて理解する人工言語研究を進め、イルカから自発的なアクションや喜怒哀楽などの気持ちを明確に理解していけるようにしていきたい」と話しています。