札幌キャンパスで活動する学生サークル「Star Divers Club」が5月18日に、北海道神恵内村で開かれた釣り人向けのイベント「第7回海を守るアングラーの集い」に参加。海中から回収したルアーを再利用する「もぐって☆Reルアー」の取り組みをアピールしました。



Star Divers Clubは海洋汚染や外来種の繁殖などさまざまな環境問題に対してスキューバダイビングの技術を活用して考える活動を展開しています。「もぐって☆Reルアー」の取り組みは、ダイビングスポットでもある釣り場の環境保護を目的に、「海を守るアングラーの集い」の実行委員会や、札幌キャンパスの前身である北海道東海大学卒業生で生物学部非常勤講師も務める株式会社沿海調査エンジニアリング代表取締役社長の大塚英治さんが経営する地域商社「株式会社キットブルー」と連携して企画したものです。回収したルアーをリペアして使用可能なものと、溶解してダイビング用の錘などに活用するものとに分別し、使用可能なものは販売。キットブルーの商品として得た利益をStar Divers Clubによるダイビング活動の機材貸与などサービス提供に還元することで次の環境保護活動へと循環することを目的としています。昨年8月と9月には、大塚さんと、本サークル創設時に代表を務めていた北東大卒業生の打越元太さんによる指導の下、初の試みとして北海道泊村で海中清掃を実施し、根掛かりなどで海中に残ったルアーや錘といった釣り具を回収しました。

学生たちは、ダイビング活動ができない冬季の間に「アングラーの集い」の関係者らとルアーのリペアに取り組み、ペイントをほどこすなど準備を進めてきました。イベントの当日には、メンバー4名が「アングラーの集い」参加者と共に神恵内村内の海岸で清掃活動に加わった後、会場内に販売ブースを設営。リペアしたルアーや活動紹介のパネルを並べて来場者に活動をアピールするとともに、希望者への販売も行いました。また、釣り人へのマナー向上や安全確保を呼びかける講演の合間にはメンバーが壇上に上がり、「もぐって☆Reルアー」の活動をプレゼンテーション。「海岸や海中がきれいになれば生物の住処が守られ、環境保護が進めば釣りのスポットとしても解放されることが期待できます。泊村や神恵内村のある積丹半島を中心に活動ポイントを増やしていきたい」と展望を語りました。

海を守るアングラーの集い実行委員の荒道俊さんは、「ダイビングの技術を環境保護に役立てたいと活動していると知り、一緒にできることがあればと考えて協力しました。商品化や販売場所の確保などこれからも連携していきたい」と話します。Star Divers Club代表の石川晃希さん(生物学部3年次生)は、「別のブースでハンドメイドルアーを販売していたプロのクラフトマンの方から“今度はぜひ一緒にやりましょう”と声をかけていただくなど、この活動へのやりがいを感じる機会になりました。一方で、ルアーのリペアはアングラーの集いの皆さんに頼りっぱなしだったので、もっと自分たちでやれることがあったのではないかと反省点もあります。来年度もこのイベントで成果を発表できるよう活動を後輩たちに引き継いでいきます」とコメント。副代表の金城早紀さん(同)は、「Star Divers Clubでは、ほかにも北海道クリーンアップ大作戦という清掃イベントに参加するなど、約50名のメンバーで活動の幅を広げていますが、『もぐって☆Reルアー』は活動の中核になる取り組みです。サークルを次につないでいくシステムの基礎となるよう今後もしっかりと取り組んでいきます」と抱負を語っています。