
農学部食生命科学科食品バイオ化学研究室の木下英樹准教授と、本学発ベンチャー・株式会社プロバイオが産官学連携で開発した「豆乳ヨーグルトのスムージー(いちご)」の商品発表会を、7月15日に阿蘇くまもと臨空キャンパスで開催しました。熊本地震で甚大な被害を受けた益城町の復興支援などを目的に日本航空株式会社(JAL)と熊本県益城町、イオン九州株式会社とともに取り組んできた「益城町特産品開発プロジェクト」の一環です。2022年には本学の「商品開発サークル」が協力した「凍らせて食べるすいかあいす」など4商品を販売。第4弾となる「豆乳ヨーグルトのスムージー(いちご)」は、食品バイオ化学研究室が約1000種の中から選び抜いた乳酸菌「Pediococcus pentosaceus TOKAI 759m(通称:ソイペディオ®菌)」で作った豆乳ヨーグルトと、益城町産のいちご30%を使用することで、さっぱりとしながらもしっかりとした果肉感で濃厚な味わいとなっています。1個398円(税別)で7月19日から熊本県内のイオン九州店舗で販売されます。




商品発表会では、プロバイオの福地雄大さん(大学院農学研究科2023年度修了)が開発の流れを説明。在学中に商品開発サークルを立ち上げ、サツマイモのドレッシングやいちごの発酵ドリンクといった商品案を提案したことを振り返るとともに、「今回のスムージーには、300億個以上の乳酸菌が含まれており、1食あたり79kcalで保存料は不使用です。地元愛と健康志向、素材のよさがつまった商品となっています」と紹介しました。続いて日本学術振興会特別研究員(博士研究員)として豆乳ヨーグルトの研究を行っている中島勇貴さん(2024年度大学院生物科学研究科修了)が、「乳酸菌は株ごとに個性があり、木下准教授らの研究で豆乳ヨーグルトの機能性に特化した乳酸菌を見出しました。乳酸菌による抗酸化作用や抗炎症作用、老化物質の一つである終末糖化産物(AGEs)の抑制、認知機能の改善などについて、研究室やキャンパスを超えて研究を進めてきました。今回のスムージーは学生にとっても地域にとっても思い入れのある“愛情たっぷり”の商品です」と語りました。


その後は農学部の星良和学部長、益城町の西村博則町長、日本航空執行役員九州支社長の猿渡美穂氏、イオン九州筑後事業部熊本西営業部長の堀究氏があいさつし、4者によるトークセッションも行いました。星学部長は県内唯一の農学部としての役割に触れ、「全国から学生が集まり、研究棟を一歩出たら圃場が広がる機能的なキャンパスで学んでいます。農学だけでなく生命科学や医学の知識なども集結して、地域に還元する使命があると感じています。1年次生から所属する研究室や、商品開発サークルなども含めた社会実装に適した環境を活用して、今後もさまざまな活動を展開していきたい」と語りました。最後に参加者による試食も行い、販売に向けた期待の声が聞かれました。