海洋学部の吉川教授が「こどもわーくin清水港2025」に協力しました

海洋学部水産学科の吉川尚教授が、7月25日から8月21日にかけて静岡県清水区で開催された「こどもわーくin清水港2025」(主催:一般社団法人地域みらい創造センター)に初めて協力しました。このイベントは、公益財団法人日本財団が中心となって展開する「海と日本プロジェクト」の一環。港湾都市として発展してきた清水区で小学生に海に関する仕事を体験してもらおうと、2023年度からさまざまなプログラムが開催されています。静岡キャンパスで行われた8月4日の回には、小学生とその保護者約20名が参加。吉川教授の研究室に所属する4名の学生、大学院生が参加者の活動をサポートしました。

「キッズ研究員となって海藻研究のお仕事に挑戦しよう!」と題したプログラムでは、初めに吉川教授が「海のゆりかご」とも呼ばれる海藻の役割や生態、寒天の材料となるマクサなど約10種類の海藻を紹介しました。その後、参加者は海藻を保存・観察するために実際の研究でも使用されている押し葉標本を作成。海藻を触って表面や色を確かめた後、好きな海藻を厚紙に乗せてピンセットで薄く広げました。さらに、海藻や野菜の光合成色素をクロマトグラフィーで分離する実験にも挑戦。マクサやピーマンなどをすりつぶしてできた抽出液を専用のシートに垂らし、シートを展開液に浸して現れた色素を分析しました。参加者は、「マクサのシートにはオレンジ色が出ているから、マクサはカロテンを持っている」「緑色はクロロフィル……」と分析した結果を調査報告書にまとめました。最後に吉川教授は、「今日使用した海藻は、日ごろ目にする機会が多い身近なものだったと思いますが、改めて観察・分析して新たに気づいた特徴もあったのではないでしょうか。今回のイベントで皆さんが海藻など海の生き物に興味を持って、将来の仕事につながるきっかけになればうれしいです」と語りました。その後、吉川教授から参加者に一人ひとりに「キッズ海藻研究員」としての名刺が手渡され、参加者同士で名刺交換をする姿が見られました。

参加者からは、「海藻はぬるぬるしていて、形が細く複雑なものが多かった」「押し葉作りは海藻同士が重ならないように注意し、きれいに広げられたときはうれしかった」といった声が寄せられました。運営をサポートした三浦凜聖さん(大学院海洋学研究科1年次生)は、「子どもたちから調査報告書の結果が合っているか質問されたときは、直接的な答えを教えるのではなく、ヒントを出してアドバイスするよう意識しました。特にクロマトグラフィーの実験は海洋学部生時代に学んだ内容だったので、子どもたちに教えたことで改めて勉強になりました」と話していました。