農学部食生命科学科の木下英樹准教授が共著者として参画した研究論文「Exopolysaccharide biosynthesis and regulation in Leuconostoc mesenteroides influences water holding capacity of fermented plant-based milks」が国際学術誌「International Journal of Food Microbiology(IF 5.2)」に掲載されました。
木下准教授は、特別研究期間制度(サバティカル制度)を利用して、昨年5月から約10ヶ月間、オーストラリアのブリスベンにあるクイーンズランド大学(The University of Queensland)に留学し、乳酸菌EPSの研究を行いました。クイーンズランド大学は世界大学ランキングで常に50位以内に位置する世界でもトップクラスの大学で、木下准教授はMark Turner教授の下で研究に取り組みました。
本論文は、乳酸菌 Leuconostoc mesenteroides が作る菌体外多糖(以下、EPS)の生合成メカニズムを自然発生変異株を用いて明らかにし、植物性ミルクベースの発酵物の物性に与える影響を調べたものです。特にEPS産生能力の違いが、豆乳などの植物性ミルク発酵物の水分保持能やテクスチャーに大きく関与することを明らかにしました。
具体的には、EPSの産生に関わる遺伝子発現や代謝経路を解析し、EPSを多く産生する株ほどゲル構造が安定し、水分離(ホエイオフ)が抑えられることを明らかにしました。その結果、発酵植物性ミルクの食感改良や品質向上において、EPS生合成の制御が重要なターゲットであることが示されました。
木下准教授は、「私が行ったことは野生株と自然発生変異株のEPSの産生量を調べる基礎的なところですが、今回、私のデータを論文に使っていただけて光栄に思います。本研究はオーストラリア、日本、韓国、インドネシアとの国際共同研究によって行われました。海外ではこうした国際共同研究が数多く行われており、それらがイノベーションのきっかけになると肌で感じました。Turner教授と私の研究室は、植物代替ミルクの発酵に関する研究など、研究分野が非常に近いですが、研究のアプローチが異なるため、お互いの強みを生かした研究ができると確信しています。今後も共同研究を続け、さらなる発展的な研究に繋げていきたいです」と語りました。
Ari S. Sukarno, Anran Dong, Yosephine Gumulya, Yuwei Xiang, Yeonsong Nam, Jongbin Lim, Jin-Hee Seo, Hae-Won Lee, Hideki Kinoshita, Esteban Marcellin, Mark S. Turner. Exopolysaccharide biosynthesis and regulation in Leuconostoc mesenteroides influences water holding capacity of fermented plant-based milks. International Journal of Food Microbiology. 457, 111797 (2026).
https://doi.org/10.1016/j.ijfoodmicro.2026.111797
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