海洋学部水産学科の清水宗茂教授の研究室が8月8、9日に静岡キャンパスのオープンキャンパスで冷凍寿司の技術を活用した海鮮丼を初めて販売しました。同研究室では2020年の新型コロナをきっかけに、海から離れた地域でも手軽に美味しい魚を味わえるよう冷凍寿司の研究を開始。2021年度からは静岡市水産漁港課と連携し、静岡市の前浜で水揚げされる「しずまえ鮮魚」を使った食品開発に取り組んできました。

研究開始当初はネタとシャリを一緒に冷凍していたため、解凍に30分以上かかるほか、温度にむらが生じるなどの課題がありました。試行錯誤を繰り返し、付属甲府高校や山梨市役所などで官能評価を複数回実施し、味や食感、見た目などについて寄せられた意見をもとにさらなる改良を続けました。その結果、現在はネタとシャリを分けて冷凍し、シャリは電子レンジ、ネタは流水を使うことで、それぞれ約2分で解凍できるようになりました。現在は4年次生の天坂亮太さんと西俣陽日輝さんが先輩たちから研究を引き継ぎ、清水教授とともに販売方法や商品展開などを検討しています。2人は今回の販売に向け、これまで積み重ねられてきた研究成果を生かしながら、「しずまえ鮮魚」の魅力をどう伝えるかを考えて準備を進めました。
オープンキャンパスでは、漬けマグロやしらす、桜えびなどを盛り付けた海鮮丼を提供し、購入者へのアンケートも実施。多くの来場者から好評の声が寄せられ、西俣さんは、「入学したころから冷凍寿司の研究に興味があり、清水教授の研究室に入りたいと考えていました。静岡に来て魚のおいしさを知りました。この技術を使えば、海から離れた地域でもその味を楽しんでもらえると思います」と話します。天坂さんは、「今回が初めての販売だったので、購入した方から直接感想を聞けたことがうれしかったです。“冷凍とは分からないくらいおいしい”という声もあり、先輩たちが続けてきた研究成果を一つの形として残せたと感じています」と振り返ります。清水教授は、「6年にわたって試行錯誤を重ねてきました。毎年、付属甲府高校の先生方に協力いただき、率直な意見をいただけたことは、完成度を高める上で大変大きな力になりました。冷凍寿司として一定の形ができたので、次はこれをどのように一般の方に届けるかになります」と語ります。今後については、「海のない地域への展開に加え、外出が難しい高齢者の方にも家庭で手軽に味わってもらえるよう、販売方法についても検討していきたい」と話しています。
