静岡キャンパスの学生食堂でこのほど、北海道根室市産の昆布だしを使ったそばとうどんの提供が始まりました。長年にわたり交流を続けてきた同市の特産品を取り入れ、学生たちに日々の食事を通じて根室の魅力を感じてもらおうというものです。海洋学部と根室市は2010年に相互協力協定を締結し、水産加工品の開発や水産資源の研究などで連携してきました。22年には協定の対象を静岡キャンパス全体に拡充。根室産のサンマを味わう「さんま祭り」や、人文学部の「フィールドワーク演習」など、交流の幅を広げています。今年7月には、同市の歯舞漁業協同組合とも包括連携協定を結び、教育・研究や人材育成、水産業の振興などで協力を進めています。

根室市は、なが昆布やあつば昆布、猫足昆布などが採れる昆布の産地です。収穫した昆布は干場に広げて乾燥させるなど、出荷までに多くの手間がかかります。人文学部のフィールドワークでは、学生が同市の歯舞地区の漁家に滞在し、昆布漁の作業を手伝いながら、生産者の暮らしや地域の文化に触れてきました。今夏の演習に参加した学生は、「朝早くからの昆布漁は大変でしたが、その分、仕事の魅力も学べました。根室の昆布をキャンパスで味わえるのはうれしいです」と話し、別の学生からも「食べてみると、以前よりおいしくなっていました。友達にも伝えたいです」といった声が聞かれました。
川﨑一平キャンパス長は、「学生たちは昆布漁を手伝う中で、漁業者の暮らしや、昆布が生産から流通を経て商品になるまでの過程を学び、その価値を実感してきました」と振り返ります。その上で、「今回の提供は交流の一つの通過点です。昆布を通じて生まれた人と人とのつながりを、より多くの方に広めていきたい。これまでは現地を訪れたり、さんま祭りなどの機会に根室の産品に触れたりしてきましたが、これからは普段の食事の中でも、その魅力を感じてもらえれば」と話しています。