人文学部の春風亭昇太客員教授による「特別授業2026」を開催しました

静岡キャンパスでは10月20日に、人文学部の春風亭昇太客員教授による「特別授業2026」を開催しました。昇太教授は1978年に本学文学部に入学し、落語家を志して在学中に中退。2024年秋学期に人文学部へ再入学し、今年3月に卒業しました。当日は、卒業論文のテーマにも選んだ城郭研究について講義し、学生や教職員、地域住民ら約150名にその魅力を伝えました。

講義の冒頭では、落語家になった経緯や大学に再入学した理由をユーモアを交えて振り返りました。「学生の皆さんは今、人生の中でも特別な時期にいます。社会人になるとやらなければいけないことが山ほどできる。好きなことや大切にしているものがあれば、今のうちに取り組んでほしい」と自身の経験を踏まえて語りかけました。続いて、姫路城や松本城などの写真を示しながら、城郭の歴史や構造について講義。「皆さんはお城というと天守を思い浮かべると思いますが、天守はお城の一部です」と述べ、日本の城の多くは山や谷などの地形を利用し、堀や土塁を築いたものだと解説しました。さらに、三島市の山中城に残る「障子堀」や、武田氏が得意とした「丸馬出し」など、敵の侵入を防ぐためのさまざまな仕組みを取り上げ、築城者によって構造に違いが表れる面白さを伝えました。

卒業研究では、こうした違いを手がかりに、徳川氏による城の改修に着目。島田市の諏訪原城を例に、かつて武田氏が築いたと考えられていた大規模な防御施設の多くが、発掘調査によって徳川氏の改修によるものと分かってきた経緯を示しました。「お城は時代によって姿を変えています。改修のパターンを追うことで、誰が手を加えたのか推測できるのではないかと考え、卒業論文にまとめました」と研究の着眼点を明かしました。また、自身の論文発表も振り返り、「皆さんもぜひ頑張って卒業論文を書いてください」と学生たちにエールを送りました。

講義の最後には、落語の成り立ちや表現方法にも触れ、「日本人は物事を小さくするのが得意」と、自然を小さな鉢の中に再現する盆栽や、限られた音数に思いを込める俳句などを例に挙げました。落語についても、「複数の役者が演じる演劇を一人で、座布団1枚の上に表現する芸能」だと解説。正座は上体の動かし方によって立ち姿や座った姿、寝ている様子まで表現できるとした後、古典落語「看板のピン」を実演し、巧みな語り口と人物の演じ分けで会場を大きな笑いに包みました。