公開セミナーLet’s不思議!50回記念で松前義昭理事長が講演しました

九州キャンパス(熊本、阿蘇両キャンパス)が熊本日日新聞社と共催している「公開セミナーLet’s不思議!」を9月13日、熊本キャンパスで開催しました。1994年に当時の九州東海大学開学30周年を記念して始まった本セミナーは50回の節目を迎えました。今回はそれを記念して「九州における熊本の高等教育機関の使命~創立者松前重義博士の教育理念を通して~」をテーマに、今年5月に就任した学校法人東海大学の松前義昭理事長・副総長による講演に加え、松前理事長と東海大学の中嶋卓雄学長補佐(九州キャンパス担当・基盤工学部長)、熊本日日新聞社の丸野真司編集局長による鼎談を実施しました。

200名を超える参加者が集ったセミナーで松前理事長は、「創立者松前重義の熱き使命感から東海大学は始まった」をテーマに講演。熊本県嘉島町で生まれ、東北大学を卒業後、技官として当時の逓信省に入省した松前重義の生涯を振り返りました。我が国独自の技術による「無装荷ケーブル長距離通信方式」の開発までの道のりや、無教会主義を唱えた宗教家である内村鑑三の思想との出会い、さらに戦争で国土を失い荒廃したデンマークの歴史と国民高等学校による教育に関心を持つに至った経緯について解説。松前重義が1934年に行ったデンマーク視察について、写真なども織り交ぜながらその様子を紹介しました。松前理事長は、松前重義が内村鑑三を記念して建てた碑に刻んだ「内村先生の人格、その思想、そのほとばしり出る情熱が私に本学の建学を決意させた」という一文を紹介しながら、「松前重義は逓信省の技官として苦悩する中で、教育によって戦争で荒廃した国を復興させたデンマークのあり方を知り、”教育によって国を変える”と決意しました。東海大学の建学の理念には、今も変わらない平和主義が通底にあります」と語りました。

続いて行われた鼎談は「九州における熊本の高等教育機関の使命」がテーマ。丸野編集局長による進行のもと、熊本における東海大学の役割や九州における本学を含む熊本の大学の位置づけと目指すべき方向性、成長を続けるアジアにおいて、九州をはじめ熊本の大学が果たすべき役割について松前理事長と中嶋学長補佐が自身の考えを述べました。九州キャンパスにおける教育研究活動やチャレンジセンター、地域連携の取り組みについて紹介した中嶋学長補佐は、「東海大学では伝統的に社会的実践力をつける教育を展開しています。また、昨年度には文部科学省の『知(地)の拠点整備事業』の採択を受け、To-Collaboプログラムも展開。熊本では県の方針に沿うかたちで産業界、医学界との連携を推進しています」と解説。また、熊本にある大学として、「九州内では福岡県に次いで2番目に学生が多く、多様な学びの場がある。教育都市としての特色を生かして発展を目指していくべき」と提言しました。松前理事長は大学のグローバル化について触れ、本学の海外留学制度やそのための語学教育などについて紹介し、「留学生の受け入れとともに在学生の積極的な海外留学も推進し、世界に通用する大学として環境を整備していく」と語りました。

公開セミナーLet's不思議!50回記念で松前義昭理事長が講演しました