熊本キャンパスに6月30日から7月9日まで、学生、保護者、教職員を対象とした「なんでも相談室」を開設しています。東海大学では、農学部と大学院農学研究科の授業再開に合わせて湘南と伊勢原キャンパスから医師や看護師、ソーシャルワーカー、心理士らで結成した「チーム東海大学」を熊本に派遣。「こころとからだのケアおよび相談」窓口として設置しました。熊本地震の被災によるストレスや健康面での不安の解消に役立ててもらうことを目的としています。
チーム東海大学は、湘南キャンパスにある文学部心理・社会学科の教員、伊勢原キャンパスにある健康科学部看護学科、同社会福祉学科の教員、医学部付属病院、同八王子病院に勤務する医師で計12名構成。交代で熊本キャンパス新1号館1階に開設した相談室に常駐し、健康面では血圧の測定や問診、心理面ではストレスの度合いに合わせたチェックやカウンセリングなどを行っています。医師で健康科学部長の沓澤智子教授は、「特に農学部の学生や阿蘇キャンパスで勤務していた教職員は、熊本キャンパスという新しい環境で学びや業務を再開することになり、心理と健康両面でさまざまな事態が起きる可能性が考えられます。病院の精神科などは自らの判断で通院することが難しい面もありますので、個別に丁寧に対応しながらアドバイスしたいと考えています」と話します。
チームを取りまとめる本学教育支援センターの芳川玲子所長(文学部心理・社会学科教授)は、「震災が心身に与える影響は外面からはなかなかわからず、自覚症状がない場合もあります。未知の経験をした学生たちの中にはストレスや強い不安を抱えていても、なかなか人に相談できないという事情もあるかもしれません。教職員の皆さんも自らも被災しながら業務に当たっており、病院に行く時間を確保できないといったケースも考えられます。この相談室を活用して自らの心と体の状態を把握し、授業や日常の業務に臨んでもらいたいと考えています。まずは“ちょっと寄ってみようか”と気軽に訪ねてもらえれば」と話しています。