大学内の健康な食環境推進の一環として、2018年4月開設する健康学部に着任予定の教員らが「適塩」をテーマに「学長弁当」の開発を目的としたプロジェクトを始動。学生や教職員が毎日食べる昼食を、適塩で栄養バランスの良い昼食にする事で、食生活の改善につなげようという取り組みです。山田清志学長の発案で、健康学部設置準備委員会の堀真奈美委員長(18年度健康学部長予定者)や管理栄養士の森真理氏(18年度健康学部着任予定)らが中心となって企画しています。1月29日から2月1日には、教職員有志が昼食に学長弁当を試食する期間を設け、参加者の栄養状態の変化を調べました。
学長弁当は国が1日に推奨している3分の1の食塩量に設定し、健康によいとされる「まごはやさしい食品」(大豆類【まめ】、種実類【ごま】、海藻【わかめ】、野菜、魚、きのこ【しいたけ】、いも)を使用し、主食、主菜、副菜のバランスを考慮したものになっています。今回の試食期間で、参加者が「24時間採尿」をして食塩摂取量などを調査。実施当初は国の基準値を大きく上回る食塩量であったが、半分の人が基準値以下になるなど食生活の改善が見られました。森氏は、「今回の学長弁当のレシピの基準は、予防栄養学の研究で世界中から得られた成果をもとに考案しました。日本人の多くが、濃い味に慣れて食塩を摂取し過ぎています。今回の学長弁当のような適塩でも十分に『おいしい』と感じる味覚を育てる事が食育には重要です。昼食に適正な食事を摂ることで、朝食や夕食にも良い影響があると期待しています」と語ります。また堀委員長は、「健康学部の開設を目前に控えていますが、東海大学では、全学的に取り組む重要テーマとして健康を含むQOLの向上を掲げています。今回の取り組みも学部開設に向けた目玉の一つであり、今後は教職員だけでなく学生とともにこの活動を少しずつ広げていければ。4月7日には健康学部に入学する学生が集まる新入生研修会で学長弁当の試食会を行う予定です」と話していました。