看護学科の大山太准教授が国際緊急援助隊・医療チームとしてサイクロン被害を受けたモザンビークで活動しました

医学部看護学科の大山太准教授が4月5日から 18 日まで、国際緊急援助隊・医療チームとして台風で被災したモザンビークに派遣され、医療支援活動に取り組みました。アフリカ南部に位置するモザンビークでは、3月 15 日に発生したサイクロンにより大規模な豪雨・洪水被害が発生し、同国政府によると、600 人近くが死亡し、約 52 万人に上る被災者が出ています(4月3日現在)。大山准教授が参加した同チームはモザンビーク政府の要請を受け、独立行政法人国際協力機構(JICA)を通じて日本政府より派遣されたもので、医師や看護師、薬剤師ら 24 人による二次隊として、3月末から現地入りしていた一次隊の支援を引き継ぎ、救護・医療活動に従事しました。

大山准教授らのチームはモザンビーク中東部にあるベイラ空港から車で内陸部のグアラ・グアラに移動し、壁だけが残された学校の校舎にブルーシートの屋根を張って救護所を設置。衛生状態の悪化によるコレラなどの感染症の蔓延を防ぐため、現地の人々の血液検査や健康状態の確認、治療に取り組みました。また今回の活動では、これまで国際緊急援助隊・医療チームとして活動してきたメンバーらが開発した新しい電子カルテシステム「JDR-MOS」(災害医療標準電子システム)が初めて本格的に用いられ、大山准教授は同システムの管理・保守も担当しました。

救急看護や災害医療が専門の大山准教授は、これまでも地震や台風などで被災した各国の地域で国際緊急援助隊のメンバーとして活動してきました。「国際緊急援助隊の一隊員として日本の代表で貢献できるのは、大学はもちろん、学科の先生方の理解と協力のおかげです。国際支援の重要性を認識し、毎回快く派遣を承諾してもらっているからこそ、その経験を教育や研究に生かさなければならない」と信念を語ります。「世界には、生活基盤も命も失われてしまう悲惨な現場があり、そうした環境におかれた人々の健康を守っていくのも我々の使命です。看護師には、言葉や文化の壁をこえ、医療の枠をこえて社会に貢献できることがあります。学生たちには、勉学に集中できる今の環境が”当たり前”ではないことを常に意識し、国内外の情勢に目を向けてほしい」と話しています。

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