学芸員課程で学ぶ学生らが江の島にあるブロンズ像のクリーニングに協力しました

課程資格教育センターの学芸員課程を履修する湘南キャンパスの学生と篠原聰准教授らが6月3日、神奈川県藤沢市の江の島北緑地広場にあるブロンズ像「弁財天と世界女性群像」のクリーニングに協力しました。このブロンズ像は、1964年の東京オリンピックの際に彫刻家である加藤顕清が作成したものです。同市では、江の島が2020年の東京オリンピックでセーリング会場となったことを受け、公共スペースに設けられている彫刻を生かしたまちづくりを進めており、今回の取り組みもその一環です。篠原准教授と学生のほか、ブロンズ彫刻の保存修復を手掛けているブロンズスタジオの髙橋裕二氏や神奈川工科大学の学生、市民が参加しました。

最初に藤沢市の文化振興施設「藤沢市アートスペース」のスタッフが、「弁財天と世界女性群像」が制作された経緯や彫刻の持つ意味を解説。髙橋氏が洗浄の進め方を説明しました。その後、参加者が5~6名のグループに分かれて5体の像を清掃。50年間の間に像に付着した鳥の糞やほこり、破損に伴う修復時に塗られた塗料などを中性洗剤や歯ブラシなどを使って丁寧に落としていきました。作業終了後、ブロンズ像に水をかけると、顔の表情や衣服の造形などがくっきり見えるほどにきれいに。その姿を見た参加者からは、「これほどきれいになるとは思っていなかった」と思わず声がこぼれ、通りがかった市民や観光客が写真を撮影する姿も見られました。

博物館実習の一環で参加した齋藤菜櫻さん(教養学部芸術学科美術学課程4年次生)は、「作業前には白く変色していた像がきれいになっていく過程を目の当たりにし、参加してよかったと思いました。実際に触ったことで、ブロンズ像が細部まで丁寧に作られていることを知るよい機会にもなりました」とコメント。ピアス・ナディーン・里紗さん(文学部歴史学科4年次生)は、「ブロンズ像の顔に涙のように付着していた鳥の糞も落ち、像が輝くようにきれいになったのがうれしい。その一方で、こうしたブロンズ像をきちんと管理していくことの大切さや大変さも実感しました。また私自身がクリーニングする過程でこれらの像に愛着がわいていくことを実感したので、市民の方に参加してもらえばもっと愛される像になるのではないかと感じました」と語りました。また西純平さん(同)は、「実際に触れたことで場所によって質感を変えて表現していることを実感しただけでなく、像ごとに汚れ方が違っていた原因を知りたいと思うようになりました。今回の活動をさまざまな機会に紹介することで、こうした活動の意義や大切さを多くの人に知ってほしい」と話していました。

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