東海大学チャレンジセンター・病院ボランティアプロジェクトでは2月15日に伊勢原キャンパスで、第17回医療セミナー「自分で決める健康寿命 フレイルを知ろう」を開催しました。本セミナーは、地域の人々に医療や健康に関する情報を提供しようと毎年実施しているものです。今回は、健康学部健康マネジメント学科の遠藤慎也助教が講演。近隣住民ら多数が聴講しました。
遠藤助教は日本における少子高齢化の現状と未来について説明し、介護に頼らず自立した生活ができる「健康寿命」延伸の重要性を指摘。身体的機能や認知機能が低下し、健康な状態と要介護状態の中間にある「フレイル」について、身体的、社会的、精神・心理的側面から解説したほか、厚生労働省が作成した基本チェックリストなどを用いた簡易的なフレイルの判定方法についても紹介しました。また、フレイルを予防するためのコンディショニング(ストレッチング、リラクセーション、筋力トレーニングを含め、体力・精神・栄養・休養面から総合的に心身の状態を整えるアプローチ)や、運動と認知課題を組み合わせたコグニサイズについて説明し、来場者が実践。最後に、「フレイルは生活習慣病やメタボリックシンドロームよりも気を付けるべき我が国の新たな国民病といわれています。これをきっかけに、ぜひフレイル対策を始めてください。皆さんの人生が楽しく、健やかであるよう願っています」と語りました。講演後には、会場から多くの質問が寄せられました。
来場者は、「フレイルの状態や予防法がよくわかりました。コンディショニングの実践もあって楽しく学べました」「自身の生活を振り返るきっかけになりました。”NNK(ねんねんころり)”ではなく”PPK(ぴんぴんころり)”を目指し、今日から運動を始めます」などと感想を話していました。
なお当日は、会場の入り口に手指用の消毒液を設置し、プロジェクトメンバーがマスクを着用するなど感染症対策にも配慮しました。プロジェクトリーダーの髙橋悠河さん(工学部電気電子工学科2年次生)は、「昨年度のアンケートで高齢者の健康と運動について知りたいとのリクエストが多かったことからフレイルをテーマに選びました。毎年参加してくださる方も増え、”次回はいつですか”と聞いてくださる方もいてうれしく思っています。地域の皆さんの期待に応えられるよう、今後も役立つ医療・健康情報を提供していきたい」と意欲を見せていました。