「平塚市内企業に向けた研究施設見学会」を開催しました

平塚市と東海大学は、1月31日に湘南キャンパスにて「市内企業に向けた研究施設見学会」を開催しました。東海大学の共同利用施設である技術共同管理室は、大型研究施設(17号館)や東海大学イメージング研究センター(12号館)の研究機器を管理しており、学内のみならず、他大学や企業、自治体の皆様に施設を解放しています。今回の見学会では、これまで東海大学と繋がりのなかった市内の企業の皆様に、研究施設紹介や本学教員との連携事例をご紹介し、「産官学共同による研究を発展させる機会」となることを期待し、平塚市と初めて共同で実施したイベントです。

当日は、平塚市をはじめ秦野市や南足柄市の製造業関係者ら30名が参加。平塚市産業振興課の飯田健一課長と本学稲津敏行副学長(理系担当)のあいさつに続いて、工学部の槌谷和義教授が「企業との共同研究による外部資金獲得事例」をテーマに講演しました。槌谷教授は、「蚊を模倣した痛くない注射針(マイクロ針)」や「極微量な血液を採取するマイクロポンプ」を紹介し、「現在、日本には予備軍を含めた糖尿病患者が1600万人以上にのぼると報告されています。糖尿病が引き起こす合併症を防ぐためにも、インシュリンなどの投薬により適切に血糖値をコントロールする必要があり、患者は日に数回、外径数百ミクロンの注射針により血液を採血し、その結果に応じたインスリン量を投与しています。しかし、その行程は複雑な手動作業のため患者の負担が大きいことから、ナノテクノロジーを用いて痛みが少なく、自動で採血・センシング・マイクロデバイスの開発に取り組んでいます」と語りました。また、企業との連携実績についても触れ、誰もが”疑問を解決したい”という向上心を持っています。ぜひ大学との連携を検討していただき、神奈川県の産業を盛り上げるとともに、日本の研究力を一緒に向上させていきましょう」と話しました。

続いて、参加者は技術共同管理室の技術職員の案内のもと2グループに分かれて大型研究施設や東海大学イメージング研究センターなどを見学されました。見学終了後には、相談スペースに足を運ばれた企業の方が、本学事務担当者や技術職員と今後の連携について意見を交わす場面も見られました。参加者からは、「自社で製品開発を行っていると数多くの疑問が生まれます。大学の施設や先生方と協力すれば、社会貢献につながる可能性を高められると感じました」「見学会に参加し、市民にも開かれた大学という印象を持ちました。幅広い研究も展開されているので、とても勉強になりました」といった声が聞かれました。この数日後、参加された企業の方が早速、技術共同管理の大型研究施設をご利用いただき、後日「今まで研究機器を使うという選択肢がなかったが、今回使わせていただき、どうしても判らなかったことが明確になったので、大変助かりました」とのお礼のお言葉を頂きました。

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