「農ある仲間,土ほぐす福幸プロジェクト」がヒマワリの種を収穫しました

九州キャンパスでは11月11日に、2023年度の開設を予定している臨空校舎の圃場に植えたヒマワリの種を収穫しました。「アグリ実学スキルアップ支援プログラム(略称:アグラップ)」(※)の一環で、農学部と大学院農学研究科の新しい学びのフィールドとなる臨空校舎を九州キャンパスの学生と教職員、地域住民が一体となって構築しようと企画した「農ある仲間,土ほぐす福幸プロジェクト~みんなで創る学びのフィールド~」として行ったものです。当日は、農学部の学生と教職員合わせて約35名が参加しました。

臨空校舎は、阿蘇くまもと空港に近い「東海大学宇宙情報センター」(熊本県益城町)の敷地を転用して新設され、阿蘇実習フィールド(熊本県南阿蘇村)と併用して農学部と大学院農学研究科の教育・研究活動を行う予定です。農学部の2年次生がクラス単位の実習で使用する予定の圃場は19年の夏ごろから農学教育実習センターの職員らが整備を進め、今年7月には農学部4年次生と教職員がヒマワリの種をまき、9月末には学生と教職員が約3000本の花を楽しみました。今回は、はじめに本田憲昭技術職員が、「この圃場ではサツマイモとエゴマ、レモングラスとヒマワリの4品目を育ててきました。23年の開設までにさまざまな作物を植えて、学生たちが楽しく学べる実習を展開していきたいと考えています。今日はただ収穫するだけでなく、植物体をしっかり観察してください」と呼びかけました。続いて中野祐志技術職員が収穫の流れや作業の仕方を説明した後、学生と教職員が種付きの花をハサミで切って収穫し、茎を飼料にするための粉砕作業も行いました。

収穫した種は一定期間乾燥させ、花から外して選別した後、食用油として精製する計画で、粉砕した茎はサツマイモなどと混ぜて阿蘇実習フィールドの家畜に与える予定です。学生たちは、「ヒマワリの種を収穫するのは初めての経験で、私たちが花だと認識している部分は“小さな花”の集合体だと知りました。土の上での作業は本当に楽しい」「応用動物科学科で学んでいるので、ヒマワリの茎が飼料になると聞いて、新しい学びになりました。授業では動物をメーンに扱うので、アグラップは植物に触れる貴重な機会。より農学を深く勉強していきたい」「自分たちは臨空校舎で学ぶことができなくて残念ですが、卒業しても気軽に立ち寄れる、学科の枠をこえて横のつながりの強いにぎやかなキャンパスになってほしい」と話していました。

農学教育実習センターの阿部淳センター長(農学部教授)は、「臨空校舎で学ぶことなく卒業する2年次生以上の学生たちにここでの思い出をつくってもらうのと同時に、普段触れることの少ない油糧作物について知ってほしいと考えて企画しました。新型コロナウイルス感染症の影響もあり、地域の方々にヒマワリを楽しんでもらう機会はつくれませんでしたが、来年にはこの圃場に水道も整備される予定なので、ヒマワリの栽培はもちろん、実習や研究の場としてもさらに活用していきたい」と話しています。

※「アグリ実学スキルアップ支援プログラム」(略称:アグラップ)…授業や実習に加えて、さらに実践的な技術・知識を身につけたいという学生を対象に、農学教育実習センターの技術職員らが作物栽培、動物飼育、食品加工、農業機械の安全な操作法を教えるほか、一般市民を対象とした講習会の助手を務めるなど、計5つのプログラムから自由に選んで参加できるプログラムで、農学部生をはじめ九州キャンパスの学生が多数参加しています。16年からは「九州キャンパス長推進プロジェクト」の1つにもなっています。