「人文学部フィールドワーク講座」を高校生対象に開催しました

人文学部では8月9、10日に、静岡キャンパスで高校生を対象にした「フィールドワーク講座」を初めて開催しました。本学部の特色ある教育活動の一つであるフィールドワークを通して、調査、データ収集、分析の過程を体験しながら人文学の魅力に触れてもらおうと開催したものです。

当日は高校生5名と、現役学生5名(人文学部と海洋学部海洋文明学科)が参加。初日の9日には、開始にあたり川﨑一平学部長があいさつし、「今回のフィールドワークのテーマは、『三保らしさを探す』です。自分の足で、目で、耳で感じることが何よりも大切なので、美しい自然の中で自分なりの発見をしてください」と語りかけました。その後、関いずみ教授と小林孝広講師の引率のもと、世界文化遺産の三保松原を散策したあと、静岡市三保松原文化創造センター「みほしるべ」などの文化施設を訪問。生徒たちは自然や歴史に触れながら、スマートフォンで写真を撮ったり、熱心にメモをとったりしながら思い思いの調査に臨みました。

10日には、撮影した写真をスライドで紹介しながらそれぞれの調査結果を報告。御穂神社の境内を映した写真をもとに発表した生徒は、「散策中に短時間の大雨に見舞われたが、降り止んだあとには社殿が雨粒できらきらと輝いてとてもきれいでした」と発表。小林講師は、「その時間でしか見つけられないものに注目できる感性が素晴らしい。立派なフィールドワーカーですね」と評しました。また、埼玉県から初めて静岡県を訪れたという生徒は、「埼玉県と静岡県の違い」について考察。工事現場の安全柵が富士山をモチーフにしていたこと、海岸近くの住宅の入口には砂を落とす簡易的なシャワーの設置やサーフボードが置かれていることが多かったと発表し、関教授は、「ただ歩くのではなくてしっかりとコンセプトを決めて、調査できている点がよかった」と評価していました。

続いて、講評に立った川﨑学部長は「それぞれの内容がとても魅力的で、教える・教わるという立場をこえて成果を共有できたと感じています。今回の経験をぜひ今後の高校、大学生活に生かしてほしい」と話し、生徒からは「新型コロナウイルス感染症の拡大もあり、これまでフィールドワークを体験することがなかったので、とても充実した時間を過ごせました」「日ごろ見過ごしている風景にもたくさんの魅力があると感じました」といった声が聞かれました。また、人文学部の中澤佑稀さん(1年次生)は「高校生をサポートしながら調査をする中で、同じ調査地でもさまざまな見方や考え方があることを知り、勉強になりました。たくさんのフィールドワークをしたいという思いで人文学部に入学したので、今後の学生生活がさらに楽しみになりました」と目を輝かせていました。