「ともいきアートサポート事業」による常設展示2期が始まりました

神奈川県と東海大学が昨年度から取り組んでいる「ともいきアートサポート事業」による障がい者アートの常設展示2期が、7月16日からブランチ茅ヶ崎2・サンノイチ及び2階エントランスで、8月2日から神奈川県立青少年センター・スタジオHIKARIの交流スペースで始まりました。この事業は、県が掲げる「ともに生きる社会かながわ憲章」の理念の実現に向けて、障がいの程度や状態にかかわらず、誰でも文化芸術を鑑賞・創作・発表できる機会を提供するものです。本学からティーチングクオリフィケーションセンターの篠原聰准教授と学芸員を目指す学生たちが企画・運営に参加しています。常設展示では、県内で障がい者によるアート活動を支援している「NPO法人studio FLAT(スタジオフラット)」「認定NPO法人アール・ド・ヴィーヴル」「ジョイン・クリエイティブマネジメント株式会社(嬉々!!CREATIVE)」「社会福祉法人翔の会」に所属するアーティストの作品が定期的に入れ替えながら紹介されます。

篠原准教授と学生たちは、作品の搬入や展示、設営などを担当。また、昨年度に引き続き、オンライン展示も行い、本学松前記念館サイト内の特設ページで展示作品を紹介しています。さらに、常設展示の内容を紹介する映像の制作も実施。昨年度に教養学部芸術学科デザイン学課程を卒業し、現在はフリーランスでAPION Creative Design を立ち上げ、デザイナーを務める中郡梨子さんが制作を担当しています。中郡さんは、「昨年度の映像制作では、障がい者アートの存在を知ったばかりだったこともありどのような人に見てもらうかターゲットが具体的に定まっていなかったように思います。今回は、昨年度の活動などを通して障がいを抱える方々への理解が深まったことで、“視覚や聴覚に不自由な人にも見てもらえる作品にしよう”と考え、ナレーションや字幕を入れました。完成した映像を見て、アーティストの自由な作品の素晴らしさや多様性について考えるとともに、展示会場に実際に足を運びたくなるような作品にしたい」と話していました。

本事業を担当する神奈川県福祉子どもみらい局共生推進本部室共生グループ主任主事の山下大樹さんは、「学生の皆さんが展示の前段階である梱包作業時に、障がい者アーティストたちと交流したことで、ともいきアート事業の意義をしっかりと感じて展示作業に取り組んでくれていました」と振り返りました。篠原准教授は、「展示会場に商業施設であるブランチ茅ヶ崎2が加わったことで、今年度はさらに幅広い世代の方たちに作品を見てもらえると思います。学生たちは展示業務を行うプロのコンサベーター(保存修復家)やインストーラー(展示設営技術者)の仕事を体験的に学ぶとともに、ダイバーシティな社会や美術館のあり方を考えるきっかけにもなったのではないでしょうか。障がい者アーティストの創作物が展示される場は限られてしまっているので、このような機会をさらに増やしていければ」と話しました。

▼松前記念館サイト内特設ページ(順次公開予定):http://www.kinenkan.u-tokai.ac.jp/

【会 場】
ブランチ茅ヶ崎2・サンノイチ及び2階エントランス(茅ケ崎市浜見平3-1)
県立青少年センター・スタジオHIKARIの交流スペース(横浜市西区紅葉ケ丘9-1)

【会 期(2期)】
ブランチ茅ヶ崎2 7月16日(土)から11月10日(日)まで
県立青少年センター 8月2日(火)から11月6日(日)まで
※展示スケジュールは変更となる場合もありますので、県共生推進本部室ホームページをご確認ください。(https://www.pref.kanagawa.jp/docs/m8u/tomoikiart.html

【主 催】
神奈川県、東海大学(ティーチングクオリフィケーションセンター)