山田清志学長が農学部の授業「将来設計と就職2」で講演しました

東海大学の山田清志学長が7月8日、農学部の岡本智伸学部長が担当する学部共通科目「将来設計と就職2」で講演しました。この授業は、就職活動に向けて「企業から見て魅力的な人材になること」のみを目的とするのではなく、将来にわたって人生の質を高めることを目標に掲げ、自らが求めることだけではなく社会が求めていることを理解し、社会に出た際の仕事のやりがいにつなげようという狙いで開講しています。

今回は同授業で山田学長が本学について語ったテレビ番組の映像を視聴した際に、学生から多様な感想や質問が寄せられたことから、その報告を受けた学長が普段は接することが少ない熊本キャンパスの学生に向けた自身による講話を提案して実現したものです。WEBビデオ会議システム「Teams」を使った遠隔授業に、山田学長が湘南キャンパスから参加し、約200人が受講しました。

山田学長は「自分自身で切り拓く未来 No Guts, No Glory」をテーマに講義。事前に学生から寄せられた質問をもとに、まず激動する現代の世界情勢について触れるとともに、本学の創立者・松前重義博士の生涯を紹介しました。松前博士が逓信省に勤務していた時代に日米の生産力を比較したデータから太平洋戦争を継続する東条内閣を批判したことから懲罰招集を受け、二等兵として戦線に送られた経緯や、本学設立に向けた熱意について語りました。さらに、学長自身の生い立ちや学生生活を踏まえながら、「学生の皆さんから“落ち込んだり、悩んだりしたときにどうしますか?”との質問がありましたが、自分が一番大切にしている価値観を持っていれば、さまざまな場面で壁に当たっても、その後のことを考えられます」とアドバイスしました。

授業の後半では、無作為に指名した学生たちと直接言葉を交わし、「本学は『QOLの向上』を教育・研究の指針に掲げています。QOLはもともと医療業界で使われていた言葉ですが、本学はLifeを人生ととらえ『人生の質を上げよう』と活動しています。本学で学んだ皆さんにも、卒業後の長い人生の最期に“東海大学で学んだから、豊かな人生を送れた”と思ってもらえるようにしたい。そのために卒業後にも本学で学び直しができ、継続して大学にかかわってもらえるようなシステムを構築していきたい」と語ったほか、「人生において大切なことはさまざまですが、“人とのつながり”を大事にしてほしい。周囲との信頼関係をつくるのは難しいことですが、その信頼はあっという間に壊れてしまうものです。人生100年時代における大学の4年間は本当に短い時間ですが、そこで得られた友情は一生続きます。年齢を重ねると、学生時代の友人は大切なものだと思う時が来ます。絆を大切にしてください」とメッセージを送りました。

受講した学生からは、「“幸せな人生を送るためには、人生の質を高めることが重要”というお話が心に残りました。自分も学生生活や大学での学びを通じて挑戦していきたい」「これから大学での学びやさまざまな活動で多くの失敗が付きまとうだろうけれど、つらいことを忘れてチャレンジを続けることが重要であると気づくことができました」といった感想が聞かれました。