神奈川県立平塚盲学校の児童を招いて「手の世界制作展」の鑑賞会を実施しました

課程資格教育センターと湘南キャンパスの松前記念館(東海大学歴史と未来の博物館)では3月2日に、平塚盲学校の児童4名を招いて企画展「手の世界制作展」の鑑賞会を実施しました。誰もが文化芸術を楽しみ、芸術を通して人と人をつなげることを目指す神奈川県と本学の共同事業「ともいきアートサポート事業(創作×地域展示)」の一環として行ったものです。同事業では、昨年10月から11月にかけて平塚盲学校で児童が石膏彫刻づくりに挑む「石こうワークショップ」を実施。展示会では児童たちが「こころ」をテーマに完成させた作品のほか、高見直宏氏や黒川弘毅氏ら彫刻家の作品が展示されています。

児童たちは、石こうワークショップでも講師を務めた本センターの篠原聰准教授(松前記念館事務室長代行)と高見氏から彫刻を触って鑑賞する際の注意事項について解説を受けた後、自身と友人の作品を鑑賞。作品の名称と形の関係や手触りを通じて感じる印象などを語り合っていました。その後、彫刻家の作品に触れ、質感の違いや触って初めて気がつくポイントを見つけて楽しんだほか、高見氏の作品《アフターバーナー》では、作者自身に形や質感に込めた作者の意図などについて熱心に質問していました。

閉会にあたっては高見氏が「今日は皆さんの『彫刻家』としてのデビュー日にもあたります。昨年のワークショップでは私自身も皆さんから学ぶことが多くあり、今回の展示会に出品した新作にもその経験を反映することができました。『こころ』という形にならないものを見事な形にして見せた皆さんの純粋さをこれからも見習っていきたい。またの機会にもぜひまた一緒に作品を作りましょう」と語りかけました。

篠原准教授は、「本センターではこれまでも、年代や性別などさまざまな垣根を誰もが楽しめる『ユニバーサルミュージアム』の可能性について研究を重ね、市民や学生が協力して屋外彫刻を清掃し新たな魅力を発見する活動も展開してきました。今回の活動はこれまでの取り組みをさらに拡大し、芸術を通じた地域連携活動の可能性をさらに広げる新たな一歩になりました。今後も自治体やさまざまな分野の研究者、芸術家と協力しながら、誰もが芸術を楽しめる社会の実現に向けた活動を展開していきたい」と話しています。