臨空校舎の圃場で収穫したヒマワリとエゴマの福幸油を卒業生に贈りました

九州キャンパスでは3月19日に、2023年度の開設を予定している臨空校舎の圃場で収穫したヒマワリとエゴマで作った福幸油を卒業生に贈りました。九州キャンパス教育活性化プロジェクト「アグリ実学スキルアップ支援プログラム(略称:アグラップ)」の一環です。農学部と大学院農学研究科の新しい学びのフィールドとなる臨空校舎を九州キャンパスの学生と教職員、地域住民が一体となって構築しようと企画した「農ある仲間,土ほぐす福幸プロジェクト~みんなで創る学びのフィールド~」として、昨年7月に農学部4年次生と教職員がヒマワリの種をまき、約3000本の花を楽しむとともに11月には種を収穫。実習の授業で栽培したエゴマと合わせて、熊本県氷川町にある有限会社堀内製油様に外注し搾油しました。農学教育実習センターの阿部淳センター長(農学部教授)の研究室に所属する学生らも協力し、村田達郎教授(基盤工学部)による書と本センターの中野祐志技術職員によるイラストが描かれたラベルをビンと箱に貼り、プロジェクトに参加した卒業生に3月19日の熊本キャンパスでの学位授与式の後に贈りました。

阿部センター長から油を受け取った市原尚久さん(農学部4年次生)は、「ヒマワリの種をまいたのは初めてで、いい経験になったのと同時に、臨空校舎での思い出ができました。ヒマワリ油はそのままサラダにかけてドレッシング代わりにしてもいいと聞いたので、食べるのが楽しみです。臨空校舎では学べませんでしたが、卒業生も気軽に入れるキャンパスになればうれしい」と話しました。阿部センター長は、「臨空校舎が完成する前に卒業してしまう学生たちに、新しいキャンパスでの思い出をつくってほしいと思い、今回のプロジェクトを立ち上げました。楽しかった、思い出になったという声を聞いて、実施してよかったと感じています。新型コロナウイルス感染症の影響を受けて大人数での活動はできませんでしたが、ヒマワリの種から油を搾油するのは私たち教員にとっても貴重な経験になりました。来年度以降も活動を続けていきたい」と語りました。プロジェクトに参加した3年次生以下の学生と教職員にもヒマワリ油とエゴマ油を贈る予定で、来年度も継続する予定です。

なお、ヒマワリの種とエゴマの搾りかすは、阿蘇実習フィールドで飼育しているブタやヒツジ、ヤギなどに給餌し、嗜好調査に活用しています。今後は肉質に影響する出荷2、3カ月前から仕上げとして決められた量を給餌し、搾りかすの有無で肉質や食味にどの程度影響するのかを個体を分けて調査。付加価値をつけた食肉生産の可能性を探ることで、循環型の飼育方法を確立していきます。さらには食品化学も扱う農学部の特性を生かし、ヒマワリ油・エゴマ油の健康にかかわる成分の調査を進めるとともに、九州キャンパスの他学部とも連携して活用できないか模索中です。