「第16回Good Jobコンテスト」を実施しました

伊勢原校舎と医学部付属4病院(付属病院、東京病院、大磯病院、八王子病院)ではこのほど、教職員を対象とした「第16回Good Jobコンテスト」を実施しました。日ごろから取り組んでいる仕事や職場環境の改善策を共有し、業務のさらなる充実や効率化を図ることを目的として毎年行っているものです。サービスの向上や職場環境の改善、コストの削減を目指す「業務・職場環境改善事例部門」には、医学部や看護部、診療技術部、薬剤部、メディカルサイエンスカレッジオフィスなど多くのセクションから16組がエントリー。11月29日のプレゼンテーション審査を経て、Good Job大賞1件、優秀賞1件、審査員特別賞5件が決定し、Good Job大賞には、八王子病院看護部の伊藤由美子部長、堀口ゆかり次長、森悟子次長が取り組んだ、「KIKUMIMIくじら相談フォームの開設」が選ばれました。

八王子病院看護部では、部長、次長の中央管理部門の下で、16看護単位の師長・主任責任者がそれぞれ約30名のスタッフとともに業務に当たっています。近年、看護単位責任者とスタッフが友好な人間関係を築けず、心理的安全性を確保できないケースが発生し、中央管理部門の介入方法が課題となっていました。そこで伊藤部長らは、「500㎞離れていても仲間の声が聞けるくじらのように、スタッフの声に耳を傾けよう」と、オンラインを使って匿名でも投稿できる「KIKUMIMI~くじら相談フォーム~」を今年5月に開設。相談のハードルを下げ、深刻な状況になる前の“小さな不満や気づき”の段階で上長に相談できる環境を整えました。

中心になって企画した森次長は、「12月上旬までに、看護部への質問や人間関係の悩み、キャリア相談、私生活や働き方などに関する34件の声が寄せられました。その一つひとつを真摯に受け止め、投稿者が希望する方法で回答しています。新型コロナ第7波が到来した8月から9月にかけては、時間外労働や人員不足による疲労を訴える声が急増しましたが、感謝とねぎらいの思いを込めつつ病院の状況などを伝えることで第7波を乗り切り、第8波に向けて対策を講じる動機づけができました。投稿者からは、『このような形で聞いていただき救われている』『現状を明らかにして対応してもらえた』『現場の意見を届けられてうれしい』といったコメントが届いています。文書で回答・回覧することで、多くのスタッフが関心をもってくれており、双方向でやり取りする大切さを実感しています」と手応えを話します。

堀口次長と森次長は、「現在は3名が回答していますが、今後は師長を交えるなど、パブリックに意見を交わせる場への展開も視野に入れています。私たちの回答は投稿者やほかの看護師にとって必ずしも満足できる内容ではないかもしれませんが、だからこそ、師長をはじめスタッフ同士で議論する機会になると考えています。この投稿フォームをスタッフの相談窓口として活用するだけでなく、課題について考えたり、意見を交わしたりしながらよりよい方向を見いだすとともに、管理者のスキルアップや若いスタッフが視野を広げる場として発展させていきたい」と話しています。

なお、日々の業務の中で実践している「私のちょっとした工夫部門」には8件の応募があり、書類審査により最優秀賞1件と優秀賞4件が決定。最優秀賞には、付属病院診療技術部放射線技術科の佐藤遼介さんが取り組んだ「Excel VBAを用いて業務効率UP、コスト削減!!」が選ばれました。