「オリーブを活用した観光施策の企画提案」研究発表会を行いました

観光学部観光学科の片岡勲人准教授と3年次生が11月28日に、神奈川県・中井町農村環境改善センター研修室で「オリーブを活用した観光施策の企画提案」研究発表会を行いました。同町では民間業者が山間部の農地でオリーブ栽培に取り組み始めたことに着目し、地域活性化につなげられないかと「オリーブを活用した観光施策の企画提案」を本学に依頼。これまで、中日本高速道路株式会社(NEXCO中日本)と連携して新東名高速道路のドライブプランを開発するなど実績のある片岡准教授とゼミ生、「シティプロモーション演習」および「ランドスケープ論」の受講生がフィールドワークを繰り返して企画案を練ってきました。

発表会には戸村裕司町長と中井町役場産業振興課の職員、「ファームビレッジ湘南 中井オリーブ園」の関野敏樹氏(湘南ベルマーレスポーツクラブ)らが出席。片岡准教授が自ら作成した中井町の鳥観図を提示しながら説明し、「中井町は東京にも静岡にも車で1時間ほどの距離にあり、とても恵まれた立地だと感じています。特に東名高速道路の秦野中井インターチェンジから10分ほどの距離にある中井中央公園の『なかい里都まちCAFÉ』はもっと活用されるべき場所です。今回はここを中心とした企画を考えました」と語りました。

続いて学生たちが、「遊び・活動」「食」「商品」「インバウンドと情報」「中井町に暮らす方々と訪問者」「情報発信」に分けて12案を発表しました。大沢玲未さんは、中央公園の駐車場を車中泊キャンプの会場とし、カフェの隣にある「里都まちキッチン」のピザ窯を使ったピザづくりと、オリーブオイルブースを設けてオイルに合う食品の品評会を提案。三部駿さんは、急速な円安やアフターコロナを見据えたインバウンド観光に着目し、英語版のパンフレット案を制作しました。堺琢真さんは、地元住民や学生によるガイドツアーを考案し、「ガイドと観光客の触れ合いによって交流人口が増加し、町の活気づくりにつなげられるのでは」と語りました。そのほかにも、近隣地域の駅前などに中井町の名産品を販売するキッチンカーの出店、オリーブを活用した新商品の開発、住民が「花化サポーター」となって中央公園を中心に町全体に花壇やモニュメント、フラワーアーチを設置する案などを提案。戸村町長や職員からの質問にも答えました。

関野氏は、「移動も含めた日帰りツアーを組み、交通の便があまりよくないという課題を解決する案が非常に面白かった。町のコミュニティバスと組む方法もあるのでは」とコメント。戸村町長は、「皆さんのアイデアの中に多くのヒントがあったので、それぞれ町の担当者や事業所と連携しながら生かしていければと考えています。町民が幸せで輝く生活を送れるまちづくりをしていきたい」と語りました。関根帆涼さんは、「SNSやホームページなどで何でもわかる時代ですが、空気感など実際に見てみないとわからないことがたくさんありました」と学びを得た様子。リーダーの芳本昇平さんは、「実現可能性の高いプランを意識して企画しました。調査を通じてクオリティの高い観光資源をたくさん見つけたので、多くの人に知ってもらいたい」と話しました。

発表テーマは以下の通りです。

【遊び・活動】
大沢玲未さん「クルマだからできること!中井町堪能プラン」
齋藤大興さん「オリーブを活用したスポーツツーリズム」
紺野夏樹さん「中井町の認知度を上げるための施策」自転車やスポーツについて

【食】
河田啓衣さん「SNS発信の強化、コラボで魅力を伝える」
高橋彩知さん「キッチンカーを利用して中井町へ訪れるきっかけを作る」

【商品】
芳本昇平さん「課題を踏まえたオリーブコラボ商品開発」
落合悠貴さん「周辺観光地域に目を向けた中井町オリーブのブランディング」

【インバウンドと情報】
三部駿さん「中井町におけるコンテンツ・モニュメント創造」

【中井町に暮らす方々と訪問者】
堺琢真さん「強みを生かしたコミュニティーツーリズム」
関根帆涼さん「中井町花化サポート案」

【情報発信】
小土橋輝さん「中井町の魅力をより多くの人へ伝える手段」
李熙景さん「snsを利用した中井町の情報発信」