「東海大学研究DAY FY2022」を開催しました

東海大学では3月11日に湘南校舎で、「東海大学研究DAY FY2022」を開催しました。2月に本学が日立ハイテクグループ3社と共同実証事業の連携協定を締結したことを受けて、全国5キャンパスに分散する研究装置の遠隔利用について学内の研究者が認識を深めるとともに、コロナ禍でここ数年実施が叶わなかった対面での研究者間の交流を、「付置研究所評価会」でのポスター発表を通じて図ることなどを目的に企画しました。当日は、各校舎の教員や研究担当の職員ら123名が参加しました。

全体会では稲津敏行副学長(理系担当)が開会のあいさつに立ち、「コロナ禍で研究に関する対面での評価や交流は中断されていましたが、こうしてさまざまな分野の研究者が一堂に会して成果を報告し、会話することで、分野を融合した研究のスタートになるのではないかと期待しています。ぜひ新たな研究の芽をつくっていただきたい」と語りました。続いてユニバーシティビューローの岩森暁ゼネラルマネージャー(研究推進担当・総合科学技術研究所所長)が日立ハイテクと締結した協定の概要を説明し、「ぜひ積極的にご活用いただき、課題や希望をお寄せください」と呼びかけました。その後は日立ハイテクフィールディング経営企画本部の天願潤氏が、1997年から熊本校舎で行ってきた共同研究や、遠隔システムの概要を説明。21年度には、湘南校舎から熊本校舎のゲートウェイパソコンに接続し、アミノ酸分析装置を遠隔利用する共同研究を実施したことも報告し、遠隔利用で取得したデータをクラウド上で管理する「ExTOPE」の使い方も解説しました。また、同社サービス企画本部の加藤一幸氏とキャンパスサポートオフィス技術共同管理室の小田慶喜技術員が、遠隔利用の具体的な方法やメリットなどを語りました。質疑応答では活発な議論が繰り広げられ、天願氏は、「熊本校舎で一定程度の効果を得られました。装置の利活用を促進し、研究活動の効率化・品質向上、遠隔データの活用による装置使用性の向上などに資するよう取り組んでいきたい」と話しました。

全体会後には、小田技術職員の案内で希望者を対象にした共用実験機器見学会を3回に分けて実施。参加者は、すでに遠隔利用可能な「核磁気共鳴装置」や「液体クロマトグラフ」「質量分析装置」のほか、遠隔利用に向けた調整を進めている「走査型電子顕微鏡」や、本学と株式会社ニコンインステックによる産学連携包括協定に基づき開設した「東海大学イメージング研究センター」などを見学しました。

別の会場では2022年度「付置研究所評価会」として16の研究所・センターがポスターで成果を報告。午後には「2022年度総合研究機構プロジェクト成果発表会」も行い、9名の研究代表者が採択課題の概要やこれまでの研究成果、論文発表や特許申請の状況などについて報告しました。「付置研究所評価会」に参加した研究者からは、「久しく途絶えていた直接的な研究交流ができた」「他分野の研究内容や現在の活動状況を知る良い機会であった」などの声が聞かれました。

2022年度総合研究機構プロジェクト成果発表会