湘南キャンパスで12月18日に開かれた平塚市民・大学交流委員会(文化・生涯学習部会)事業「子ども大学ひらつか(奏アカデミー東海大学)」で、東海大学スチューデントアチーブメントセンターの岡田工教授とチャレンジプロジェクトの「サイエンスコミュニケーター」が講義を担当しました。この講座は、本学の教員と学生が地域の小学生に科学の面白さを伝えることで、知的好奇心や感性を育てることを目的に、2011年から毎年開かれているものです。昨年度は新型コロナウイルス感染症拡大の影響で中止となりましたが、今年度は消毒や換気など対策を徹底して平塚市在住の小学4年から6年生まで約60名が参加し、午前午後の2回にわたって同様のプログラムを実施しました。
初めに、平塚市教育委員会社会教育課課長の鈴木和幸氏があいさつに立ち、「実験を進める中でなぜそのような現象が起こったか不思議に思うことがたくさんあると思います。気になることは先生や学生さんに質問して、科学を学ぶことの楽しさを感じてください」と語りました。続いて、岡田教授が「水の実験~教訓茶碗を作ろう!!~」と題した実験を披露。表面張力について学ぶ実験や「底にJ字管のついた器に水を入れると下から出てくるのか」を試す実験などを行い、子どもたちに結果を予想するクイズを出題しながら解説しました。その後、サイエンスコミュニケーターのメンバーがサポートして、紙コップとストローを使って「教訓茶碗」を製作。岡田教授は、「底にJ字管のついたこのコップは『教訓茶碗』と言い、沖縄県・石垣島特産の民芸品です。液体を注ぎすぎると器の底から全部流れ出てしまうことから、“欲張ると元も子もなくなる”という教訓を表しています」と説明しました。
後半では、サイエンスコミュニケーターのメンバーが講師を務め、酸素と結合することで色の変化する水を使って、酸化と還元の仕組みについて解説。続いて、風船やマシュマロなどを真空状態にするとどのように変化するか実験を披露しました。また、ビーチボールや発泡スチロールを空気で浮き上がらせる実験も行い、空気の流れを子どもたちにも分かりやすく説明しました。プロジェクトリーダーの除村典子さん(工学部応用化学科2年次生)は、「今回でコロナ禍以降2回目の地域の方々との交流になります。子どもと直接的な接触をしない実験やモニターの使用など“目で見て楽しむこと”を重視してプログラムを構成しました。色が変化する水の実験は、子どもたちから好評でよかった」と振り返りました。
参加した児童からは、「透明な水を振ると色が変わってびっくりした」「お兄さんお姉さんの説明が分かりやすかった」といった感想が聞かれました。