医学部看護学科では1月14日に伊勢原キャンパスで、1年次生を対象とした「実習直前! 医療接遇研修」を実施しました。初めて医療機関での実習に臨む学生に、現場で求められる接遇の基本を身に着けてもらおうと、実習ガイダンスの一環として開いたものです。本キャンパスに駐在してキャリアサポートなどを担当している全日本空輸株式会社(ANA)客室乗務員の佐藤友紀さんが講師を務め、医療接遇のポイントや実習への心構えについて講義しました。
佐藤さんは、「医療接遇においては、痛みやつらさをかかえ、不安を感じたり緊張したりしている患者さんや家族に、安心感や信頼感を抱いてもらうことが大切です」と語り、身だしなみや笑顔、あいさつの仕方、言葉遣い、立ち居振る舞いといった接遇の基本について説明。学生たちはチェックリストで身だしなみを確認し、好感を持ってもらえるお辞儀の仕方などを実践しました。また佐藤さんは、自分の状態を理解して能力を最大限に生かすためのセルフマネジメントや、相手の発言をうのみにせず、観察や質問から非言語メッセージを読み取る「気づく力」の重要性についても指摘し、「適切な医療接遇が患者さんや家族の治療への意欲を高めます。実習の機会を大切し、安心と信頼を獲得できる人材を目指して学びを深めてください」と語りかけました。
学生たちは、「“制服を着れば実習生でも医療スタッフとして見られる”という言葉に身が引き締まりました。患者さんやご家族、医療従事者への尊敬や感謝の気持ちを忘れずに臨床実習に取り組みます」「笑顔や話し方だけでなく、立ち方やお辞儀仕方でも相手に伝わる印象が大きく変わることがわかりました。自然に美しい所作ができるよう、日ごろから心がけていきたい」と意欲を見せていました。
指導する森屋宏美准教授は、「病がある患者さんは、健康なときには気にとめないような出来事でも心にかかるようになり、それが療養の阻害要因になってしまう場合があります。たとえば看護師が病室のカーテンを開ける動作一つをとっても、『失礼します』と声をかければ看護師に見守ってもらえているという安心感につながりますが、急に開ければ患者さんのプライバシーを脅かし、不安な気持ちにさせてしまうかもしれません。学生たちはこの講座を通じて、こうした行動はもちろん、身なりや立ち居振る舞いのすべてが患者さんのケアにつながる療養環境の一部であると学んでくれたと思います。医療従事者の対応が患者さんの療養に大きな影響を及ぼすことをしっかりと意識しながら実習に臨んでくれると期待しています」と話していました。