情報メディア学科の学生が「情報処理学会コンピュータビジョンとイメージメディア研究会」で奨励賞を受賞しました

情報通信学部情報メディア学科4年次生の木渕寛太さんが、1月28日にオンラインで開催された「第288回 情報処理学会コンピュータビジョンとイメージメディア研究会」で奨励賞を受賞しました。この研究会は、コンピュータビジョン(CV)や画像生成ならびに関連分野の研究者に発表と交流の場を定期的に提供することによって、研究レベルの向上と技術の普及することを目的としたものです。

木渕さんは、NTTコンピュータ&データサイエンス研究所との共同研究である「イベントカメラと動的ライン照明を用いた複数の半透明レイヤの深度推定」の研究成果を発表しました。プロジェクターから光を照射し、一般的なカメラで反射光を撮影して深度を測る手法「アクティブステレオ法」では、半透明レイヤを反射してきた光か、透過してきた光なのか見分けがつかずに記録されてしまい、深度推定が困難でした。そこで、アクティブステレオ法に一般的なカメラと記録方法が異なる「イベントカメラ」を用いることで、高い時間分解能により受光強度変化を記録でき、反射してきた光と透過してきた光の照射位置の特定を可能にしました。また、別々に記録された信号の相互相関関数を計算して、周期的なイベント列の信号の位相を求めることによって半透明レイヤの深度を推定しました。

木渕さんは「他大学の研究発表のクオリティーが高かったので、まさか自分が受賞できるとは思っていませんでした。NTTの職員さんらのご支援・ご協力があったからこその受賞だと感じています。今回が初めての研究発表で緊張しましたが、練習や内容の改善を重ねたことで落ち着いて発表できました。今回の研究成果が自動車の自動運転技術やスマートフォンの顔認証技術などに応用され、より正確な距離の認知による技術向上につながればと思います。4月からはIT系企業のエンジニア職としての就職が決まっているので、これまで学んできたデータ処理やプログラミングの知識を生かしていきます」と意欲を語りました。