デザイン文化学科の笹川准教授が札幌軟石を素材にデザインした日用品の展示会「サッポロナンセキのデザイン」展を開催しています

国際文化学部デザイン文化学科の笹川寛司准教授が、札幌キャンパスのある札幌市南区で採掘される札幌軟石を素材に用いてデザインした日用品を紹介する展示会「サッポロナンセキのデザイン」展を3月25日から29日まで、南のギャラリーkamokamoで開催しています。札幌軟石は4万年前に発生した支笏湖周辺の大噴火に伴う火砕流が凝固した溶結凝灰岩で、札幌をはじめとして小樽や美瑛、苫小牧など広範囲で産出され、明治中期から後期にかけて札幌軟石を用いた建築物が数多く作られました。しかし、第二次世界大戦後は建築基準法の制定や安価なコンクリートの普及などにより次第に衰退し、現在も採掘が行われているのは札幌市南区内のみとなっています。

プロダクトデザインの分野でも活躍する笹川准教授は、「南区にあるキャンパスに勤務するデザイナーが、南区で産出される素材を使って日用品を制作し、南区のギャラリーで展示会を開くことで、地元の特産である札幌軟石の活用法をアウトプットしたいと考えました」と話します。今回展示した「サッポロナンセキの時計1、2」や「サッポロナンセキの一輪挿し」、「サッポロナンセキの傘立て」、アクリル板の台座など計6作品は、軟石が建材として使用されてきた歴史を踏まえ、どれも切妻屋根をモチーフにした形状を基本に用いており、天然素材特有の美しさを際立たせるデザインとなっています。2種類ある時計は置時計型と、使わなくなった腕時計を埋め込める仕様。傘立ては吸水性が高いという軟石の特徴を生かしており、パーツを連結することで増減できるように工夫されています。

「天然素材である札幌軟石は、同じ形状にそろえても気泡や成分で色合いがそれぞれ異なり、唯一無二の個性、特徴、美しさを持っています。日用品として身の回りで使用する際には、見て楽しめることが重要。例えば時計であれば、家の中で一日に何度も目にするものですから、時刻を確認するだけではなく同時に軟石の持つ4万年という大きな時の流れも感じてもらえるのではないかと思います。デザイナーとして素材の可能性を引き出し、活用法を提案するとともに、展示会に来場してくださった方からさまざまな声を聞き、改善も図っていきたいと考えています」と話しています。

「サッポロナンセキのデザイン」展

【会 期】
2022年3月25日(金)から29日(火)まで

【時 間】
11:00~18:00(最終日は17:00まで)

【会 場】
GALLERY kamokamo
札幌市南区真駒内幸町1-1-15
札幌市営地下鉄南北線・真駒内駅から徒歩7分 駐車場有
https://studiokamokamo.wixsite.com/home/access

【入場料】
無料

【お問い合わせ】
東海大学ウチムラカンゾウカレッジ札幌オフィス広報担当
TEL:011-571-5111(代表)