静岡キャンパスでJICAの研修を受け入れました

静岡キャンパスで12月4日から8日まで、独立行政法人国際協力機構(JICA)による研修「ブルーエコノミーのための持続可能な小規模漁業」が実施されました。ソロモン諸島とマレーシアから1名ずつが参加し、小規模漁業や漁村の振興などが専門の海洋学部水産学科の李銀姫准教授が立案したプログラムに取り組んだものです。

今回参加したソロモン諸島のジェフリー・カイカリさんとマレーシアのユウ・フーイ・コンさんはどちらも両国の水産行政官で、東海大学大学院への進学を希望しています。期間中は、漁業管理や漁村振興・地域活性化をテーマに、李准教授が普段から研究・教育でフィールドワークを行っている静岡県内の由比漁港や用宗漁港、稲取漁港を訪問。漁の様子を見学したほか、行政関係者と懇談しました。また、4日には内田晴久静岡キャンパス長、齋藤寛海洋学部長らと懇談。5日は海洋科学博物館の見学に続いて本キャンパス8号館で学生や大学院生、県漁連、企業、地域住民らを招いた公開セミナーも行いました。カナダから短期留学中の大学院生とともにカイカリさんとコンさんが登壇し、両国の漁業を巡る政策や水産加工物の流通、観光振興との関係など多岐にわたる話題を提供し、会場からも熱心な質問が寄せられました。

カイリさんは、「李先生以外にも、講義していただいた先生方、内田キャンパス長、齋藤学部長、学生たちに暖かく迎え入れていただきました。東海大学で勉強したい気持ちがさらに強くなると共に、今回学んだ成果をソロモンで役立てたいと考えています」と話し、コンさんは、「座学と実践的な研修を通じて持続可能な漁業について深く理解できました。また、静岡県の漁師さんたちとの交流から学ぶものがたくさんあり、これもまたプライスレスで有意義な時間でした」と充実した表情で語りました。李准教授は、「公開セミナーは、せっかくキャンパスに来ていただいているので、ゼミ生を中心とした学生たちや普段からお世話になっている方たちに、海外の事情を知っていただくとともに、二人にも日本について知っていただくことを目的に実施しました。研修の初めにJICAで研究計画の1次発表があり、研修を経て最終発表を行いましたが、両名ともとてもよい研究計画が立てられていました。やはり座学だけではなく、現場に出てさまざまなことを実際に見て、話し合い、漁業者など地域の皆さんと交流できたことが大いに役立ったと思います」と成果を語っています。