TRIESの共同主催でパネルプレゼンテーション「宗教と持続可能な開発:2024年G20サミット リオデジャネイロに向けた新たな課題と機会」を開催しました

品川キャンパスで1月20日に、パネルプレゼンテーション「宗教と持続可能な開発:2024年G20サミット リオデジャネイロに向けた新たな課題と機会」を開催しました。今年11月にブラジル・リオデジャネイロで開かれるG20サミットに向けて、宗教とSDGsの複雑な関連性を見直し、社会と個人の発展に向けた貢献のあり方を考える気にしようと、本学環境サステナビリティ研究所(TRIES)とG20世界宗教サミット(IF20)、オックスフォード大学リージェンツ・パーク・カレッジなどが共同主催として実施したものです。

開会にあたって本学の吉川直人教授(本学副学長、国際学部、TRIES所員)があいさつし、出席者らへの謝辞とともに「今回の議論を通じて宗教とSDGsの関係性に関する理解が深まることと確信しています」と期待を述べました。続いて、今回の発起人の一人であり哲学・宗教学の世界的研究者、本学の創立者・松前重義の研究にも取り組むオックスフォード大学のピーター・ペトコフ教授が基調講演し、「松前語録 文化のかけ橋、宗教、そして開発」をテーマに、本学の創立をはじめ世界柔道連盟の会長を務めスポーツを通じた世界平和実現に奔走した松前の歩みや思想の形成に影響を与えたデンマークとの交流を紹介しつつ、「激動する世界において、今年のG20ではSDGsに関する話題への関与が少なくなるのではと懸念しています。このような状況においては、松前先生がかつてとったような国際交流へのアプローチが必要であり、私たちの助けになると考えています」と訴えかけました。

続くディスカッション1では、ブリガム・ヤング大学のコール・ダーラム教授がモデレータを務め「社会的(経済的)発展と社会の安定のための宗教の役割」「国際協力における課題」をテーマに、各国の研究者3名がそれぞれの所属する機関におけるSDGsに向けた取り組みを紹介しました。後半のディスカッション2ではペトコフ教授の進行で「協力と持続可能な開発」を全体テーマに、吉川教授ら7名が「懸け橋となる」「世界宗教のネットワーキングと集合体を構築する」「宗教はどのように持続可能な開発に貢献するのか」の個別テーマに沿って提言しました。さらに、両セッションともパネルディスカッションで会場を交えて質疑応答も行い、宗教と政治の関係をはじめ、日本の視点から見た世界の宗教と国際関係、平和実現に向けた対話のあり方など多岐にわたって議論を深めました。

閉会に当たって、ダーラム教授、ペトコフ教授、吉川教授が関係者や登壇者への謝辞を述べ、ペトコフ教授が「今回の議論はG20に向けて宗教と持続可能な開発についての具体的な提案につながる弾みがついたと感じています。東海大学でこの会が開けたことは素晴らしく、心に訴えかけるものがありました」と語りました。

当日の共同主催者、登壇者とプログラムは以下の通りです。
共同主催:東海大学環境サステナビリティ研究所
    G20世界宗教サミット
    オックスフォード大学リージェンツ・パーク・カレッジ
    オックスフォード法律・宗教ジャーナル
    ブリガム・ヤング大学法学大学院 法律・宗教国際研究所
    多文化協力国際アカデミー

講演者:創価学会インターナショナル ディレクター 浅井伸行氏(日本)
    英国 宗教の自由特別大使 デイビッド・バローズ氏(英国)
    ブリガム・ヤング大学法学大学院 法律・宗教国際研究所 コール・ダーラム教授(米国)
    元財務副大臣、元国会議員 藤田幸久氏(日本)
    ライメナ研究所 マティス・ホー氏(インドネシア)
    多文化協力国際アカデミー 所長 オードリー・キタガワ氏(米国・オンライン出席)
    創価大学 ジョナサン・ルックハースト教授(英国)
    金光教春日丘教会長/NPO法人神道国際学会代表理事・理事長 三宅善信氏(日本)
    オックスフォード大学 ピーター・ペトコフ教授(英国)
    東海大学 国際学部国際学科 吉川直人教授(東海大学副学長・日本)
    テキサスA&M大学 マイケル・ヤング教授(英国)

プログラム:
あいさつ 吉川教授
「松前語録 文化のかけ橋、宗教、そして開発」 ペトコフ教授
ディスカッション1 モデレータ:ダーラム教授
 テーマ別提言
 「社会的(経済的)発展と社会の安定のための宗教の役割」:浅井氏、ホー氏
 「国際協力における課題」:ルックハースト教授
ディスカッション2 モデレータ:ペトコフ教授
 テーマ別提言
 「かけ橋となる」:バローズ氏、吉川教授
 「世界宗教のネットワーキングと集合体を構築する」:キタガワ氏、三宅氏
 「宗教はどのように持続可能な開発に貢献するのか」:ヤング教授、ダーラム教授、藤田氏
パネリストによるディスカッション
閉会の辞 ダーラム教授、ペトコフ教授、吉川教授