木村啓志教授の論文が英国王立化学会発行の学術誌『Lab on a Chip』に掲載され研究成果のイメージグラフィックがバックカバーを飾りました

マイクロ・ナノ研究開発センターの木村啓志教授(工学部生物工学科兼任)が執筆した論文がこのほど、英国王立化学会発行の学術誌『Lab on a Chip』に掲載。研究成果のイメージグラフィックがバックカバーを飾りました。同誌は、微細加工技術を応用して単数または複数の実験機能を1つのチップ上で統合する「マイクロ流体デバイス」のテクノロジーに焦点を当て、世界中から寄せられる化学、生物学、生物工学、物理学、エレクトロニクス、臨床科学、化学工学、材料科学など、さまざまな分野にわたるマイクロおよびナノスケールの研究論文を審査・選考して収録・公開している、世界的に権威ある査読付き学術誌です。

木村教授は、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)が展開している「再生医療・遺伝子治療の産業化に向けた基盤技術開発事業(再生医療技術を応用した創薬支援基盤技術の開発)」に採択され、生体外でさまざまな臓器の細胞を培養して機能を維持・再現できる創薬支援ツール「生体模倣システム(Microphysiological system: MPS)を開発。同事業の一環として、株式会社ニコンなどと共同開発した細胞観察自動化装置「BioStation CT for MPS」を使いMPS内で起きるさまざまな現象を24時間自動で観察できるシステムを構築しました。一連の研究は、創薬過程で実施される動物実験における種差や倫理の課題を解決する代替案として、また、薬効や安全性の予測の精度を向上される新規の非臨床実験系として期待されています。

今回の論文は、木村教授らが開発した腎臓の機能を再現したMPSを用いて24時間観察システムを稼働させ、得られたデータから抗がん剤の腎毒性を評価・検証したものです。バックカバーのグラフィックは、システムの全容とそこから得られるデータをサイエンティフィックアーティストの安藤誉さんが統一的に表現したものです。木村教授は、「多くの関係者に恩返しができたようで率直にうれしいです。世界レベルでMPSを社会実装していく責任を担い。これからさらに一段と研究のスピードを上げて取り組んでいきたい」と話しています。