ミュージアム・コミュニケーターが神奈川県立歴史博物館と連携した ワークショップを企画運営

湘南hp報「歴博ワークショップ」01.jpgユニークプロジェクトのミュージアム・コミュニケーターが、10月11日と11月1日に、神奈川県立歴史博物館(神奈川県横浜市)で開催された特別展「没後100年五(ご)姓(せい)田(だ)義(よし)松(まつ)-最後の天才-」の関連イベント「子ども向けワークショップ 鉛筆で描く 正確に描く」の企画運営に参加しました。これは、同博物館と本学課程資格教育センター、教養学部芸術学科美術課程が連携し、実施した企画です。

本展のテーマとなっている五姓田義松は、鉛筆画からスタートして西洋絵画の技術を学び、日本における西洋画のパイオニアとなった明治時代の画家です。今回のワークショップは、参加者が明治時代における図画教科書の絵などを鉛筆で模写し、事物を細部まで見つめ丹念に描くことを体験することで、五姓田の作品の魅力や絵を描く楽しみを感じてほしいと、同博物館主任学芸員の角田拓朗氏が中心となって企画しました。

メンバー達は、9月に事前学習として角田氏からレクチャーを受けながら作品や館内を見学したほか、ワークショップの内容や実施方法に関する打ち合わせに参加して準備を進めてきました。

ワークショップ当日は、同博物館の講堂に子どもから大人まで、両日ともに約100名が参加。プロジェクトメンバーに加え、大学院芸術学研究科造形芸術専攻の大学院生ら約10名が、来場者をサポート。教養学部芸術学科の河野孝博教授が講師として参加者に描き方をアドバイスしました。学生達は来場者の受付や会場スタッフを担当。また、同博物館のマスコットキャラクター「パンチの守(かみ)」の着ぐるみを着用し、チラシを配ってイベントを宣伝しました。

参加者からは、「こんなにじっくりと観察しながら絵を描いたのは初めて。人の顔の凹凸や明暗について発見がありました」「難しいけれど楽しかった。手軽にできるので、これからはいろいろなものを鉛筆で描いてみたい」などの感想が聞かれました。

プロジェクトリーダーの鳥居貴庸さん(文学部歴史学科考古学専攻3年次生)は、「博物館イベントの企画から実践までを知る貴重な経験になりました。催しにかかわる人々との連携の大切さも学びました」とコメント。

プロジェクトメンバーの髙須唯箇(ゆいこ)さん(文学部広報メディア学科3年次生)は、「学芸員に大切なのは人とのつながりやコミュニケーションだと感じています。参加した皆さんと会話することで、美術の楽しさや奥深さを共有出来れば嬉しい」と語りました。

学生を指導する課程資格教育センター博物館学研究室の篠原聰(さとし)准教授は、「企画の趣旨を理解し、主体的に運営に関わり、ディスカッションを重ねながらイベントを形にしていく過程を学ぶことは、学芸員を目指す学生にとってとても大切です。また、絵を描く面白さを幅広い世代の人に知ってもらおうとする今回の企画は、誰もが楽しめるユニバーサル・ミュージアムの実現にもつながると考えています。今後も学生がさまざまな企画に参画出来るよう博物館との連携を深めていきたい」と語りました。

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