ロケットプロジェクトが大樹町でH-59号機の打ち上げに成功しました

チャレンジプロジェクト「東海大学学生ロケットプロジェクト」(TSRP)が3月6日に、北海道大樹町でハイブリッドロケット(H-59号機)の打ち上げに成功しました。TSRPでは、将来の宇宙技術者を目指して、机上では学ぶことができない宇宙理工学の実践的な知識・技術の習得に努めています。今回で通算29回目の実施となった打ち上げ実験には、26名のプロジェクトメンバーが参加しました。

今年度、学生たちが制作したH-59号機は、固形のワックス燃料と亜酸化窒素を利用する自作ロケットエンジン「THR-210L」を搭載。主な構造材にはガラス繊維強化プラスチックを使用しており、全長1.7m、直径154mm、重量12kgと軽量化を図りました。また、ロケットに使用した搭載計機「すばる1.1」は、約1年間をかけて改修を続けた4層の電子基板で、今回の実験目的となったパラシュートの2段階分離をはじめ、到達点などの計測を担う重要な役割を持っています。

学生たちは3月1日から3日にかけて、ランチャの敷設や安全性を確保するために、現地でのリハーサルや機体の整備を行いました。打ち上げ本番を迎えた4日は機体トラブルが発生し、その解消に向けた調整作業は翌5日まで及びました。最終日となった6日は、積雪や強風も落ち着いた穏やかな気候の中で実験を行い、打ち上げられた機体は高度456mまで到達。機体を安全に落下させるためのパラシュートの2段階分離にも成功し、射点から北北東493mの地点に落下した機体を回収しました。

サブプロジェクトマネージャーと広報を担当した堤大樹さん(工学部3年次生)は、「5年ぶりの実施となった昨年度に比べ、スムーズに実験を進めることができました。無事に打ち上がったロケットを見て、本当に感動しました」と振り返りました。次年度のプロジェクトリーダーを務める中原陽さん(工学部2年次生)は、「今回初めての試みとして、実験本番中にYouTubeによる生配信を行いましたが、卒業生や一般の方など、予想以上に多くの方から反応をいただけてうれしかったです。来年度以降は、これまで以上に広報にも力を入れて活動の魅力を伝えていきたい」と話していました。