「東京都市大学―東海大学合同シンポジウム」を開催しました

総合科学技術研究所では3月13日に、湘南校舎で「東京都市大学―東海大学合同シンポジウム」を開催しました。東京都市大学と本学は2018年度に研究交流に関する包括協定を締結しており、両大学が所有する実験機器の共同利用や教員同士の共同研究を行っています。今回は、「自動車のトライボジー技術における大学間共同研究の進展」をテーマに、工学部機械工学科の畔津昭彦教授と東京都市大学理工学部機械工学科の三原雄司教授、三原教授の研究室に所属する弘瀬裕也さん(東京都市大学大学院総合理工学研究科)、大学院工学研究科修士2年次生の梶木碩介さんが講演しました。

当日は、はじめに東京都市大学の野中謙一郎副学長があいさつし、「ますますの発展につながる報告や議論の場になることを期待しています」と話しました。シンポジウムでは、畔津教授が「フォトクロミズム可視化手法-SIP、AICE、NEDOコファンド日独共同研究を通じた進展」と題して講演し、液体膜の流れを計測する新しい手法「フォトクロミズム」を応用した可視化計測手法の開発の経緯や、着色を定量化する仕組みなどについて説明。可視化エンジンへの適応やエンジンピストン上での油膜移動に関する研究成果をはじめ、自動車用内燃機関技術研究組合(AICE)や国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の事業として、ドイツのミュンヘン工科大などと取り組んできた研究も紹介しました。続いて、三原教授が「カーボンンニュートラル社会に向けた内燃機関のオイル挙動の研究-ピストン及びピストンリング周りの燃料と潤滑油の挙動及びこれらの現象解説のためのフォトクロミズム手法による可視化-」をテーマに、本研究所と東京都市大学が連携して取り組んできたNEDOやSIPとの研究概要を報告。その後、弘瀬さんが各研究の背景や成果などを解説しました。最後に、梶木さんが「フォトクロミズムを用いたジャーナル潤滑油とマイクロバブルの可視化」と題して講演。マイクロバブルのジャーナル軸受油膜内での流れをフォトクロミズムによって可視化した研究成果を発表しました。

閉会にあたり、本研究所の岩森暁所長があいさつし「研究成果を上げるには、複数の機関が協力して取り組むことが重要です。今後も本学と東京都市大学が更に連携を深め、研究の広がりや技術の向上を図っていければ」と期待を語りました。