東海大学では2月3日に熊本市の熊本大学病院で、「東海大学・熊本大学連携シンポジウム」を開催しました。両大学は、教育・研究の一層の充実と国際・地域社会の発展、人材育成に寄与することを目的として、2022年1月に包括的連携協定を締結。医学分野における連携や共同研究の発展と推進に向けて、毎年シンポジウムを実施しています。今年度は、熊本大学病院くすのきテラスを会場とし、渡辺雅彦教授(医学部医学科・付属病院病院長)、森正樹教授(医学部医学科・学長補佐)、荒木朋洋教授(総合農学研究所・副学長付)及び講演者が対面で出席したほか、オンラインも併用し、両大学の研究者や大学院生、学生ら多数が聴講しました。

初めに、熊本大の尾池雄一医学部長が、「日本の研究力を高めるためには、大学の垣根を越えた連携が重要です。このシンポジウムを、両大学のパートナーシップをさらに強化する機会にしたいと思います」とあいさつしました。
前半は、熊本大の澤智裕教授が「超硫黄による食細胞機能の制御」をテーマに講演。複数の硫黄原子が連結し、代謝や免疫といった多様な機能を持つ「超硫黄」が、炎症応答を抑制するメカニズムについて解説しました。東海大の渡辺恒二教授は、「腸管原虫赤痢アメーバ:体内における病原制御機構について」と題して、腸管原虫赤痢アメーバにより引き起こされる疾患の国内診療体制構築に関する話題に加え、熊本大学との共同で実施している病原制御機構に関する解析の進捗状況や新たな研究提案を紹介しました。
後半は、熊本大の窪田直人教授が、「2型糖尿病・肥満症の分子機構」をテーマに、複数の添加物を含んだ高度な工業的加工品である「超加工食品」や、2型糖尿病と肥満症の分子メカニズムとその関連について解説。東海大の佐藤正人教授は、「運動器再生医療の社会実装-東海大学の取り組みと規制課題」と題して、自ら開発した細胞シートによる膝軟骨の再生医療や、PRP(多血小板血漿)、ヒアルロン酸を用いた変形性膝関節症治療の臨床研究について紹介し、外部研究費獲得状況も説明しました。各講演後には、活発な質疑応答や意見交換を行いました。
最後に、東海大学医学部付属病院の渡辺雅彦病院長が関係者への謝辞を述べ、「国内外の研究者と連携して研究力を向上させることが大切と考えています。熊本大学との共同研究も進展しつつあり、引き続き協力関係を深めていきたい」と結びました。
なお、翌4日には、熊本大学黒髪南キャンパスに昨年オープンした半導体関連の共同研究施設「SOIL」とデジタルと半導体人材育成の拠点「D-Square」のほか、先端半導体研究クリーンルームを見学。2日間にわたり、両大学の研究交流を行いました。
※シンポジウムのプログラムは以下のとおりです。
司会進行
押海裕之(熊本大学大学院生命科学研究部副研究部長)
開会挨拶
尾池雄一(熊本大学大学院生命科学研究部長、医学部長)
講演
1.澤 智裕(熊本大学大学院生命科学研究部微生物学講座教授)
「超硫黄による食細胞機能の制御」
2.渡辺恒二(東海大学医学医学科基礎医学系生体防御学領域教授)
「腸管原虫赤痢アメーバ:体内における病原制御機構について」
3.窪田直人(熊本大学大学院生命科学研究部代謝内科学講座教授)
「2型糖尿病・肥満症の分子機構」
4.佐藤正人(東海大学医学部医学科外科学系整形外科学領域教授)
「運動器再生医療の社会実装-東海大学の取り組みと規制課題」
閉会挨拶
渡辺雅彦(東海大学医学部付属病院長)




