日立ハイテクグループと共同実証事業の連携協定を締結しました

東海大学では、遠隔保守とクラウドの活用によって全国5キャンパスに分散する研究装置の有効利用の促進に向けて、株式会社日立ハイテクフィールディングをはじめとする日立ハイテクグループ3社と共同実証事業の連携協定を締結。2月17日に湘南校舎で協定締結式を執り行いました。協定は、リモートアクセスとクラウド活用による研究装置の利用促進を実現するための各種ITツールおよびアプリケーションに関する共同事業をともに進め、異分野が融合したQOL(Quality of Life=“人生”の質)向上に資する先端研究の創出を目指すものです。

全国に5キャンパス(札幌、東京〔渋谷校舎・高輪校舎〕、湘南〔湘南校舎・伊勢原校舎〕、静岡、九州)を有し、多様な分野・領域での教育研究活動を展開する本学では、各キャンパスにそれぞれの領域の研究に必要な機器や装置が分散して設置しています。一方、本学農学部と株式会社日立ハイテクフィールディングでは1990年代から共同研究実施の協定を締結し、「分析装置の遠隔保守とクラウド活用による分析データの活用拡大」などをテーマに研究開発を進めてきました。今回の協定は、北海道から九州までの5キャンパス間で研究装置を遠隔利用できる各種ITツールやアプリケーションの改善・新規開発を視野に入れたもので、実証実験を共同で推進していきます。

17日の締結式には本学から山田清志学長、稲津敏行副学長(理系担当)、荒木朋洋学長補佐、日立ハイテクフィールディングの中野節雄代表取締役取締役社長、株式会社日立ハイテク事業開発本部プラットフォーム開発部の岡山祐孝部長、株式会社日立ハイテクサイエンスの伊東祐博代表取締役取締役社長らが出席。まず山田学長があいさつに立ち、「今回の協定締結は、日立ハイテクグループにご提案いただくシステムを活用し、本学における研究活性化、研究設備等の資源の有効活用に資するものと考えています」と期待を述べました。続いて、日立ハイテクフィールディングの中野社長が同社とグループの概要を説明するとともに、「東海大学では90年代後半からオンラインを用いた実験機器の遠隔使用、遠隔保守の可能性に着目し、実証実験を通じてユーザーの立場から重要な示唆をいただいてきました。今回の協定でこの関係を進化させ、新たなソリューション開発につながると期待しています」と語りました。

続いて日立ハイテクフィールディング経営企画本部の天願潤氏が、遠隔操作システムの概要を説明。本学ユニバーシティビューローの岩森暁ゼネラルマネージャー(研究推進担当・総合科学技術研究所教授)が、本学における遠隔システムの利活用について、これまでの経緯やメリットを解説し、「実験機器には日立ハイテク製以外のメーカーのものも使用していますが、この垣根を超えてどのような装置でも遠隔で使えるようにしたいと考え、各社に協力をお願いしています。また、今後はシステムを工作機械にも活用し、遠隔での機械加工もできるよう取り組んでいきたい。これらはこれまでの世の中にはないことであり、本学が掲げる『先駆けであること』に沿ったチャレンジングなテーマの実践になります」と展望を語りました。