健診人材実務者研修の派遣プログラムを実施しました

東海大学では2月24日から3月4日まで、極東連邦大学(ロシア・ウラジオストク)で健診人材実務者研修の派遣プログラムを実施しました。本学が文部科学省の平成29年度「大学の世界展開力強化事業」の採択を受けて展開しているプログラム「ライフケア分野における日露ブリッジ人材育成」の一環です。極東連邦大やウラジオストク北斗リハビリテーションセンター、北斗同画像診断センターなどと連携し、各機関でのインターンシップなどを通してロシアの医療やライフケア産業の現状に触れることが目的で、今年度は医学部医学科の学生5名が参加しました。

極東連邦大生物医学部では、付属メディカルセンターの脳外科や心臓外科、産婦人科、消化器外科などで実習。医師による手術を実際に見ながらロシアで行われている術式などを学んだほか、腫瘍学などに関するレクチャー、生物医学部の研究室視察と学生との交流会なども行いました。一方のウラジオストク北斗リハビリテーションセンターと北斗画像診断センターでは、同センターに所属する日本人の理学療法士とロシア人医師が協力して取り組んでいるリハビリ事業と健康診断事業を視察。日露の保健医療制度などについてのレクチャーも受けました。そのほか滞在期間中には、極東連邦大で開かれた学生ワークショップ「サイボーグアイランド」にも参加。今年2月に伊勢原キャンパスで実施した健診人材実務者研修の受け入れプログラムに参加したロシア人学生や引率教員のサポートを受けながら、テクノロジーと哲学などに関するレクチャーを受講し、AIとの向き合い方や科学の未来像などについて極東連邦大の学生らとのグループディスカッションも行いました。

中村慶仁さん(3年次生)は、「大国ロシアの医療がどのようになっているのか知りたいと思い参加しました。ロシアではラテン語の医学用語を多用しており、1年次の段階でラテン語を学ぶことが必修になっているなど日本とは違う面がある一方、術式などはほとんど変わらない印象を受けました。また、検査室を中央に置き、オペ室をその周りに配置するなど独自の工夫がされている様子も印象的でした」とコメント。渡部育子さん(4年次生)は、「ロシアではリハビリ医療が細分化されている一方、日本では理学療法士の指導のもと統合的にプログラムが組まれているなど、双方の違いとメリットを学ぶことができました。また数多くの手術を見学できたことは、来年からはじまる実習授業にも大いに役立つと感じています。ロシア人学生もとても親切で、滞在環境も整っていたこともあり、充実した研修を積めました」と話していました。また武本友里恵さん(同)は、「医学教育のシステムや医師の待遇、衛生に関する考え方といった両国の違いを実感できたほか、日本のリハビリテーションのメリットを知る機会になりました。両国の教育や医療についてより最新の知識を体系的に知り、比較したいと考えるようにもなりました」と話しています。

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