イノベーティブ・アジアの短期研修プログラムを実施しました

東海大学では11月15日から30日まで、アジア地域の指定パートナー校からの応募者を対象にした短期研修プログラムをオンラインで実施しました。この研修プログラムは、国際協力機構(JICA)がアジア諸国の高度産業人材育成とイノベーションの促進を目的に行っている「イノベーティブ・アジア」の採択を受けたものです。昨年は新型コロナウイルス感染拡大を受け中止となりましたが、今年はオンラインでロボット、AIおよび医用工学に関する講義や日本語、日本文化に関する講義プログラムを実施。マレーシアとパキスタン、フィリピンから学生計10名が参加し、期間中は工学研究科、情報理工学部、情報通信学部、工学部の教員等が講義しました。

22日のプログラムでは、語学教育センター所長の山本佳男教授(工学研究科)が「Great East Japan Earthquake: What Happened Then and the Scars Left」と題し、2011年に発生した東日本大震災について、当時の災害状況とその後に与えた影響を解説。参加者からは、福島原発事故後の政府の原発政策について質問が挙がるなど、大きな関心を集めていました。続いて、「Recent Research Activities in Robotics: Continuum Robot, Humanoid Robot Communication and Autonomous Mobile Robot」をテーマにしたプログラムでは、引き続き山本教授が講師を務め、ロボット工学の近年の研究動向について説明しました。23日には、本学の学生との交流会をオンライン上で実施。各国の学生たちが自身の国の伝統的な食べ物を日本語プログラムで学んだ日本語を交えながら紹介するなど、食をきっかけに互いの国の文化を理解し合いました。

30日のクロージングセレモニーでは、工学研究科長の沖村邦雄教授が「今回はアジア諸国から10名という多数の方々にご参加いただくことができました。研修生の方からは、『本プログラムを通して知識・技術の修得とともに研究の最前線の動向を把握でき、将来に大いに役立つと思いました』と感想をいただき、大変うれしく思います。本研修が研修生の皆さまのキャリア形成につながるよう願っています」とあいさつ。その後、参加者が1人ずつ感想と振り返りを述べ、山本所長が画面越しに修了証書を読み上げました。山本所長は参加者に向けて、「プログラムの修了生の中には、今でも日本で活躍している方々がいらっしゃいます。今回はオンラインでの開催になりましたが、参加した皆さんの高い学習意欲を強く感じました。新型コロナウイルス感染症の拡大が落ち着いたら、ぜひ日本に訪れて学びを深めてもらいたい」と語りました。

参加者からは、「ロボット工学やAI技術など最先端の研究・発明のバックボーンにある理論や技術について、理解を深めることができました。このような機会を提供してくださったJICA担当者と東海大の方々に感謝しています。コロナ禍が収束した後、参加者の皆さんや先生方と日本で会えることに楽しみにしています」「プログラムを通して文化の違いを理解する機会になりました。また、東海大の日本人学生ともコミュニケーションをとることができ、さまざまな国の友人ができたと感じています」といった感想が聞かれました。