東海大学の貫洞正明名誉教授がKMITLとの協同研究で特許を取得した功績がKMITLウェブサイトのトップページで大々的に報じられました

東海大学の貫洞正明名誉教授がタイ・モンクット王ラカバン工科大学(KMITL)のノラセージ・パタナデチ准教授との協同研究で日本の特許証を取得した功績が、4月19日付のKMITL工学部ウェブサイトのトップページで大きく紹介されました。

電気電子工学が専門の貫洞名誉教授は、長年にわたりタイやマレーシアなど東南アジアでの工学系人材育成に携わり、「東南アジア雷情報ネットの構築」の業績により2007年度松前重義記念基金国際活動助成を受賞。13年より「日本国並びに東南アジアの教育・指導・人材育成の発展」の功績で電気学会フェロー認定を受け、現在はKMITLの客員名誉教授も務めています。

左から貫洞名誉教授、KMITLのコムサン・マリーシー学長、ノラセージ准教授ら
貫洞名誉教授とKMITLのソムヨット・ギャットワニットヴィライ工学部長

今回、特許を付与されたのは「電流制御電極付遮断器」で、電気自動車や太陽光発電の普及により安定して充電が可能な直流電圧電源の用途が拡大し、直流回路を遮断する際に生じる高熱で危険なアーク放電を瞬時に抑制する遮断器の開発が急務となる一方で、これまでは十分に対応できませんでした。貫洞名誉教授らは、ナノ秒で遮断が可能となる「新型ナノ秒遮断直流遮断器」を開発。脱炭素化社会における直流電源の高圧化や蓄電技術の向上、遮断器の小型化に大きく寄与するものとして、21年3月末付けで日本の特許庁より特許証が交付されました。技術的な快挙であるとともに、特許申請から短期間で承認されたこと、タイを代表する工学系教育機関からも大きな評価を受けたことは画期的なことです。

「国際コース授業で1カ月のタイ滞在からの帰国直後にメールで連絡を受け、ノラセージ准教授との連名で認められた特許についてKMITL工学部ウェブサイトのトップニュースとして発信されたと知り、疲れが瞬時に吹き飛びました」と貫洞名誉教授。「記事の最初にある『タイと日本との間で国際共同特許登録の成果を祝う』との言葉に、両国で研究協力をしてきたことが報われて何よりうれしいです」と笑顔で話しました。また、若手研究者や学生ら後進に向けて、「本学とKMITLとの関わりは、日本の教育機関として先駆けてタイからの留学生を受け入れ、関係を構築してきた創立者・松前重義博士に始まるもので、現在の私があるのもその恩恵です。人生100年時代、ぜひ若き日に短期・長期の生涯計画を考え、資格を取得するなどそれぞれの年代で何をすべきか考えてください。そして、常に好奇心を持って前進と努力を続けてほしいと思います」とメッセージを送っています。